【世界初?蔵×本格スタジオ】佐渡市の新たな魅力「Studio KURA」がオープン、ライブ配信リテラシーを革新(動画あり)
新潟県佐渡市に新たな発信地として8月18日、「Studio KURA」がオープンした。このスタジオは配信プラットフォーム事業などを行う株式会社TOMODY(東京都)が新設したもので、この日はオープンを記念したお披露目会を実施した。
「Sutudio KURA」は、佐渡市がベンチャー企業のスタートアップを支援することを目的に開設した「インキュベーションセンター河原田本町」の奥に位置する。この場所に以前から存在していた「蔵」を、このほどTOMODYが撮影スタジオとしてリノベーション。蔵の特徴を活かした内装や、動画配信に適するようなデザインなどを施し、構想から完成まで約1年をかけ完成した。ライブ配信や動画撮影に必要な機材が揃っているため、撮影機材を所有していない一般の人でも気軽に利用することができる。
「Studio KURA」の設立背景には、佐渡の地域特性を活かした取り組みがある。佐渡は豊富な自然環境と少人口などの特徴があり、これを活かして地域全体のライブ配信技術のリテラシーを向上させることを目的としている。また、佐渡市の学校とも連携をし、学生たちを中心とした技術向上に焦点をあてた教育の提供も目指している。
この日のお披露目会には佐渡市の渡辺竜五市長が来場し、TOMODYの冨森健史CEOとのトークセッションを行ったほか、東京都の水道橋本社スタジオとのライブ接続のデモンストレーションが披露された。
トークセッションの中で渡辺市長は、「佐渡の場合、IT人材をどう育てていくかというところが大きい。IT技術者は高校くらいから学べて即戦力となっていく。身近にIT企業が多くあり、現実でこのような場所で体験することで『やれるんだ』という事をきっかけにして欲しい。きっかけさえ作っていければそういう人材がどんどん伸びてくるのではないか。社会に必要な人材を佐渡が作っていける夢がある」と語った。
今後の展望について冨森CEOは、「『佐渡から世界へ』とよく言っているが、今開発している『WRIDGE』というサービスは国内だけではなく、世界に出していく前提で進めている。実証をここで行い、(WRIDGEが)佐渡島から生まれたとなればとても面白いので、それを本気で考えていければ」と話し笑顔を見せた。
TOMODYが開発した「WRIDGE」は、ライブ配信の現場に物理的に行かなくても、遠隔から映像や音声の切り替えが可能なスイッチング技術だ。また、「Studio KURA」は遠隔操作が可能なPTZカメラを設置しており、WRIDGEを使用した遠隔操作による無人ライブ配信も可能である。このような最新の技術を取り入れることで、発信に関する技術や情報の習得と、スタジオを発信基地としての利用の両方が実現される場所として機能することが期待されている。
お披露目会で行ったライブ接続のデモンストレーションでは、「Studio KURA」、「インキュベーションセンター河原田本町」前の屋外、水道橋本社スタジオの3か所を繋ぎ、双方向によるライブ配信を行った。カメラの切り替えを水道橋本社スタジオからWRIDGEを使用し、手軽でスムーズなライブ配信を披露した。
「Studio KURA」では、ライブ配信や動画撮影スタジオとしての利用のほか、レンタル会議室としての利用としても提供する。配信スタジオは1時間税込13,000円で利用できる。
「Studio KURA」は、地域社会との連携を深めながら、情報発信と新しい価値の創出を目指して活動を展開していくとしている。今後の取り組みについて冨森CEOは、「Studio KURA」にユーチューバーを集めて配信する企画や、地元スポーツイベントの中継拠点として活用する構想を明かした。
(文・撮影 中林憲司)
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