【長岡新聞】著作67冊を図書館に寄贈 新潟県長岡市与板出身の折り紙作家・布施知子さん

著作を寄贈する布施知子さん(右)

新潟県長岡市与板出身で世界的折紙作家の布施知子さんと、布施知子折紙展十実行委員会のメンバーが長岡市立中央図書館を訪れ、布施さんの著作「花の飾りおりがみ」「ゆかいな多面体」「ユニット折り紙エッセンス」ほか67冊を寄贈した。

実行委員会の渡辺久美子さんは「布施さんの活動を知ってもらいたいという思いで今年5月にアオーレ長岡で折紙展を開催したが、10日間で4,000以上が来場という大盛況に終わった。長岡市に感謝を込めてということで」と贈呈の趣旨を語った。

 

与板コミセンや各地域図書館などに配置

同館の五井篤也館長補佐は「貴重な本を寄付していただきありがたい。与板コミセンと開館したばかりのミライエ長岡内の互尊文庫、そして各地域の図書館などに置きたい」と感謝した。

「チームわたしのよいた」顧問の小林多加志さんも「与板に図書館はないが、コミセンに置いていただけることになり嬉しい」と喜んだ。

中央図書館ではすでに70冊ほど布施さんの折紙の本を所蔵する。折紙展開催に合わせて特設コーナーを設けたところ、次々に駆り出されている状況だという。

布施さんは「おもしろい、お金がかからない、頭を使う、世界とつながる」と折紙の効用を説く。趣味に終わらせず、折りたたみの仕組みを学んでいただければ、きっとどこかで何かの役に立つと思います」、そして「コミュニケーションのツールにもなる。折り鶴などを海外で披露できれば、すごい交流になります」とも話す。

 

著作権の侵害が多くなった

布施さんの著作の折紙の本は、海外の出版社が手掛けたものであり、印刷もきれいで、世界中で人気がある。折り方を丁寧な図で示してあるので、著作を丸ごと1冊コピーするような事例も発生している。世界の仲間からの指摘で悪質な行為に対しては、出版物に対する著作権侵害として対処することもあるという。

しかし、悩みはユーチューブだという。目玉となる作品の折り方を映像で流されると、本が売れなくなる。しかも、自分が折り方を考えた作品だと偽り、中には販売する者もある。

「こんなことが世界中で蔓延している」と布施さんは嘆く。

折紙作家の中には裁判を起こす人もいるが、歯止めにはならない。「折紙には著作権がないのです。それが、世界中で問題になっている。私もひどい目に遭ったことがある」。

しかし、「誰か止めてくれよ」と思いつつ、「めくじらを立てているより、新しいものを創ることにエネルギーを使いたいので、ユーチューブなんて見ていられない」と、笑い飛ばした。

長岡新聞 2023年8月17日号】

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓