アクシアル リテイリング株式会社(新潟県長岡市)の2021年3月期決算(連結)は前期に続き増収増益

原信

スーパーマーケット「原信」「ナルス」「フレッセイ」などを展開するアクシアル リテイリング株式会社(新潟県長岡市)は6日、2021年3月期決算(連結)を発表した。

売上高は2,563億5,100万円(対前年同期比6.4%増)、営業利益は121億1,400万円(同28.0%増)、経常利益は125億6,900万円(同29.5%)、親会社株主に帰属する純利益は82億円8,200万円(同32.7%増)と増益増収。また、1株あたりの当期純利益は359円44銭。

売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う内食・中食需要の高まりから大幅に増加。またこれを受けて、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益もそれぞれ過去を上回る実績となった。

 

スーパーマーケット事業

来店客数は、新型コロナウイルスが拡大する状況下において、来店頻度を減らす顧客の動向や、帰省の回避、地域の催事や祭りの中止など客足が減少する要因が多かったことから、既存店で前年同期に比べて4.2%減少した。なお、新規出店店舗は好調であったことから、全店での来店社数は前年同期比3.3%に留まった。

一方で買上点数は、来店時のまとめ買いや外食を控えて内食へ移行する顧客の動向の現れに加え、2020年の猛暑の影響が押し上げ要因となり、既存店では前年同期比8.7%増、全店では8.8%増加した。

一品単価は、生鮮品全般の相場において、野菜相場が前年同期に比べ高めに推移したことが押し上げ要因となった。また、外食を控える分付加価値の高い商品の需要が高まった結果もあり、既存店では前年同期比1.3%増、全店では1.4%増加した。

客単価は、買上点数と一品単価がともに前年同期を上回ったことから、既存店では前年同期比で10.1%。全店では10.3%増加の増加となった。

売上総利益率は、緊急事態宣言下での販売数量増加に伴う商品回転率の向上や、値下げ廃棄の減少、自動発注の有効活用による効果で前年同期比で0.3ポイント増加し26.5%となった。

 

その他の事業

情報処理事業は、主力であるスーパーマーケット事業向けの販売では、情報システムや情報機器の発注が前年同期から若干の増加。また、外部顧問向けの販売も、販路の拡大による受注件数の増加し、加えて新製品の投入などにより、売上高は、前年同期比で3.6%増。一方で、人員体制の強化による人件費が増加したことから営業利益は前年同期比で8.5%の減少となった。

印刷事業は、主力となるスーパーマーケット事業向けの販売は、新型コロナウイルスの影響でチラシや各種印刷物の納入が減ったことから減少。また、外部顧問向けの販売も同様に、各種媒体やイベント関連の受注が減ったため減少。結果、売上高は前年同期に比べ9.9%減少し、営業利益は前年同期比で51.4%減少した。

一方で清掃事業は、安定した受注と新型コロナウイルスへの対応のための清掃や、商品を納入したことから販売が増加。同様に外部顧問向けの販売も前年を若干上回った。この結果、売上高は前年同期に比べ2.8%増加し、営業利益も前年同期比で2.8%増加した。

 

次期の連結業績は当期の反動から減収減益を予想

アクシアル リテイリングは今後の見通しについて、当期に新型コロナウイルスの影響により大幅な増収増益となった反動と、収益認識に関する会計基準の影響により、当期と比べて売上高・各収益ともにそれぞれ減少すると見込んでいる。

通気の予想は、売上高が2,380億円(当期比92.8%)、営業利益が99億円(同81.7%)、経常利益が100億円(同79.6%)、親会社株主に帰属する純利益は63億円(同76.1%)。

なお、感染症の影響を除いた場合については、売上高が収益認識に関する会計基準の適応の影響で減少となる。一方、前2つの影響を排除した場合の売上高と各利益については、各種営業施策の実施や店舗の新規出店、改装効果により増加が見込まれるという。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が収束していないことから、先行きについては、非常に見通しの難しい状況となっているようだ。

 

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