【県内上場企業50社を目指し】新潟県と新潟ベンチャーキャピタルが「NIIGATA IPO SUMMIT2023」を開催、フラー山﨑代表「再び上場に取り組むフラーに」(新潟市中央区)
新潟県と新潟ベンチャーキャピタル株式会社(新潟市中央区)は8月24日、ホテルイタリア軒(新潟市中央区)において、「NIIGATA IPO SUMMIT2023」を開催した。
このイベントは「新潟県内のIPO(株式公開)企業を50社に拡大する」という目標を掲げている新潟県と新潟ベンチャーキャピタルが共催で行ったもので、note株式会社(東京都)の加藤貞顕代表取締役CEOと、フラー株式会社(新潟市中央区)の山﨑将司代表取締役社長が講演した。
あいさつで新潟ベンチャーキャピタルの永瀬俊彦代表取締役は、イベントの趣旨や目的を述べた。永瀬代表は、「新潟県IPO企業を5年で50社超にする、そんな裏テーマを持ちこのイベントの開催を企画した」と話し、現在38社の上場企業がある新潟県において、IPOする会社を増やすための活動を今後も継続していくことを表明した。
デジタルコンテンツの企画、制作、配信を手がけるnoteは2022年12月、東証グロース市場に上場。新潟ベンチャーキャピタルの出資先であり、また加藤CEOは新潟県出身と新潟とは縁が深い。「IPOを経て、noteが目指すプラットフォームの街とは」をテーマに講演を行った加藤CEOは、上場後に実感したことや今後の構想などを語った。
加藤CEOは、「(上場をして)一番良かったと思っているのは組織強化と社員の意識向上。若い会社で属人的にやっているところがあったが、仕組み化しないと上場はできないため上場準備中に厳しく求められた。この点は非常にプラスになったと感じている」と話した。
一方、フラーは今年7月25日に予定していた東証グロース市場への上場が、予定日前日に異例の中止となった。登壇した山﨑代表は、「新潟初のグロース上場企業を再び目指して」と題し、フラーが上場に向けて取り組んだ3年間の過程や、その中で得た知見や感じた想いなどを披露した。
上場準備期間から上場承認、そして上場が中止となったことについて山﨑代表は、「上場が近づくにつれて会社全体の熱量が高まって、上場承認後は最高潮にになった。その後、上場中止を余儀なくされると会社の熱量が下がってしまったことを肌で感じるようになった」と明かした。
続けて山﨑代表は、「今の私の使命は、会社のモメンタル(勢い)を高く保ち続けること。従業員の士気を上げて再び上場に向かうため、社内からも社外からも勢いづける。上場がダメだったフラーではなく、再び前向きに上場に取り組むフラーとして認識してもらえるよう努めていきたい」と意気込みを語った。
「NIIGATA IPO SUMMIT2023」には投資先企業、行政関係者、大学生など115人が参加。登壇者のリアルな話を真剣に耳を傾ける様子が見られた。
(文・中林憲司)
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