【行政DX】KDDIによる新潟県管理職向け変革マインド醸成研修開催、講師に日本初の自治体CDO・菅原直敏氏

KDDIによる新潟県管理職向け変革マインド醸成研修

 

2023年8月25日、新潟県庁において「新潟県管理職向け変革マインド醸成研修」が開催され、オンライン受講を190名程度の管理職従事者が参加した。

県からの委託でKDDI株式会社が企画運営。同社は新潟県と2022年9月に「起業・創業および地域産業のDX推進による地域共創の実現に向けた包括的な連携協定」を締結しているが、今回の研修はは新潟県が2021年7月13日に策定した「デジタル改革の実行方針」に基づき開催された。昨年も同様の研修が開催されておりKDDIが受託、運営した実績がある。

「DXはあくまで手段であり、目的になってはいけない」と磐梯町最高デジタル背K人者(CDO)の菅原直敏氏

今回、講師として招かれたのは福島県耶麻郡磐梯町の最高デジタル責任者(CDO)を務める菅原直敏氏。菅原氏は上智大学卒業後、神奈川県大和市議、神奈川県議などを務め、2018年に 合同会社 CoCo Socialwork 創業、同時に一般社団法人 Publitech 代表理事にも就任。そして2019年から日本国内で初めて自治体のCDOとなった。当時はまだ政府にデジタル庁は存在しなかった。

菅原氏は「自治体の中ではデジタルへの理解が曖昧なままDX推進が叫ばれているが、デジタル技術はあくまでも『手段』であって『目的』ではない。デジタル技術を起点に考えるのではなく、県民本位に置き換えてDXに取り組むことが必要」と話す。このように今回の研修では具体的なデジタル技術の紹介ではなく、デジタル技術を受け入れるマインドを、決裁権を持つ幹部職員に植え付けていくのが狙い。テクノロジーではなくマインドのトランスフォーメーションというわけだ。

効率化、省力化だけでなくDXによって新たな価値を生み出すことも求められる

菅原氏は自治体がDX推進を行うにあたって「DXというと『効率化』とか『省力化』など『削る』目的で導入すると思っている人が多いが、それによって生み出される『価値』に対してどう使っていくかが大事。行政のあらゆる分野がデジタル技術によって再構築されるということ。最低限のデジタルリテラシーを、あらゆるセクションの職員が最低限のレベルで持ち合わせることが求められる時代になってきた。決して難しく考えることではない。チャットツールを組織単位で使えるようになる、オンライン会議ツールを自ら立ち上げて使えるようになる、皆さんが業務に抱える問題や作るべき価値を定義づけて、必要なデジタル技術を組み合わせて使う、まずはこのたった3つを行うことで劇的に変わる」と話す。

都道府県によるDX活用事例として紹介された「ふくいテレワーク女子」の後藤美佳代表

また県のDX活用事例として福井県が行った事業プランコンテストで採択された、女性リモートワーカーを育成する「ふくいテレワーク女子」が紹介され、代表を務める後藤美佳さんによって説明された。

 

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