【写真コラム】明和義人祭が開催、今年はコロナ禍前と同様の内容で古町に活気蘇る

涌井藤四郎、彼を慕う芸妓のお雪、彼の支援者である岩船屋佐次兵衛らに扮した明和義人行列が古町を練り歩く

8月26日、新潟市中央区古町通を舞台に『明和義人祭2023』が開催された。江戸時代の明和年間、重税と圧政に苦しんでいた新潟湊(みなと)の町人たちが藩への申し立てを「暴力を認めず話し合い」で進め、その後2カ月間にわたり住民自治を勝ち取った。まさに日本の市民運動の草分けとなったこの明和騒動がバックストーリーに流れ、その指導者であった涌井藤四郎ら、後に明和義人と呼ばれるようになった偉人たちの顕彰と慰霊を趣旨としたのが、この明和義人祭だ。

明和騒動は、世界初の労働階級による革命と称される『パリコミューン』の100年以上も前に起こっていることを考えると、当時の新潟湊がいかに自由闊達な空気に満ち溢れていたかが伝わる。こうした行事が根付くことで、新潟市民の心に明和義人のスピリッツが永遠に受け継がれて欲しいものだ。

舞い踊り練り歩く行列の姿に、自由闊達な江戸時代の新潟湊が蘇る

行列の中にNSGグループの池田弘総長を発見。この明和義人祭を立ち上げた一人である

今年は神輿も復活。祭りがコロナ禍前の姿に戻った

古町芸妓の舞で代表的な「新潟小唄」には「ハラショ、ハラショノロンロン」とロシア語が入ったリフレインが印象的。現代の世界情勢を考えると牧歌的な時代だった。ちなみに作詞は北原白秋

客席に前新潟市長の篠田昭氏が。と、思ったら前の席にいたのはその前任の市長、長谷川義明氏の姿が。偶然にも面白ツーショットになった。

明和義人祭は昨年、3年ぶりに復活開催されたが、今年はさらに新型コロナ感染症のガイドラインもなく、恒例だった神輿も復活して、コロナ禍以前の姿に戻った。人々の閉塞感が解消し、新潟の街に自由闊達な笑顔が戻った気がした。

伝統芸能神楽舞のユーモラスな動き

お菓子を乗せた三方が巫女によって掲げられ「神菓」となる

日本最大級といわれる「神菓撒き」

 

(文・撮影 伊藤直樹)

 

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