【キシャメシ】8月28日 新潟で本格インドカレーといえばここ、新潟にナタラジャがあることに感謝
記者の勝手な持論だが「かっこいいオヤジには行きつけのカレー屋がある」と思うのだ。めぼしい根拠はないが、概ねこれはハズれていない。イケオジが重ねてきた味のある人生と、インドという人間の根源に立ち返らせてくれるような土地柄がオーバーラップするのかもしれない。この法則に気づいて以来、街を車で流す度、良さそうなインドカレー店を目で追っている。
ところで新潟市で「インドカレーの店」と言っても、厳密にいえば本物は1店しかない。その多くはネパール人やパキスタン人の店。正真正銘インド人シェフが作るインド料理店、それが今回紹介する新潟市西区のナタラジャだ。オープンして既に30年、調べていないから定かではないが、おそらく新潟初の本格インド料理の店がここである。ここで腕を振るうタニカさんは、マドラスにある5つ星レストランのシェフだった(ネット情報のみ)という。
と前振りはこのあたりにして、そろそろ入店する。お昼時を少しずらしたが、さすがに老舗の有名店。ほとんどのテーブルが埋まっている。そして客の中にイケオジが多いよう見える(気のせいではない)。店内は、本場でしつらえたであろうインドの装飾品で飾られている。
さっそくチキンカレーのセット(税込990円)をオーダー。記者もこれまで何度も足を運んだナタラジャだが、ここの何が好きって、無駄に日本人の舌に寄せてこない潔さが良い。一流のインド人シェフが作る本場の味が手軽に食べられる、新潟市民はもっとこの店があることを有難がっても良いと思う。念のために「本場インドの味=辛い」という単純なものではない。
いよいよ着皿。チキンカレーと野菜のカレーという2種類のカレーが楽しめる。大きめのナンとバスマティ(インドの香り米、長粒種)が添えられ、サラダとドリンクも付く。これで1000円を超えてこないのは嬉しい。
久々に来たが変わらない、ナタラジャのカレーはナタラジャだけの美味さだ。スパイスが幾重にも重なり、複雑みと深みがあるが、辛みは優しく何とも言えないまろやかさがある。なんなら子供でも食べられるだろう。しかしこの深みを本当の意味でかみしめられるのは、悪いが君たちがイケオジになってからだよ。
コクと旨みと複雑み、その奥底にある柑橘のような清涼感。タニカさんに聞くと「スイカの種をすりつぶしてペーストにしたもの」を隠し味に使うオリジナル製法に由来するとのこと。野菜カレーにはジャガイモ、ニンジンのほかにレンコン(?)もゴロッと入っている。すべて自前の農園で栽培したものを使っている。
日本人の身にしみついている「お母さんカレー」や、ホテルのレスレストランで食べる欧風カレーとは全く違う。だが、そこが良い。
「シメ」のラッシー(ヨーグルトドリンク)は、バラのシロップを使った「ローズラッシー」。華やかな香りと優しい味。
やっぱりこの店は楽しませてくれる。この先もずっと付き合っていきたい貴重な1店だ。
(編集部・I)
インド料理 ナタラジャ
新潟市西区坂井東1丁目3-26
営業時間
11時~14時半
17時半~21時
定休日
木曜日
【グーグルマップより】
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【前回のキシャメシ】