【サスティナブルなブランドへ】野水重明社長「ブランディング投資をする」 ツインバード(新潟県燕市)が長期ビジョンおよび新中期経営計画を発表

発表する野水重明代表取締役社長

株式会社ツインバード(新潟県燕市)は8月31日、ツインバード日本橋ゲートオフィス(東京支社)において長期ビジョンおよび新中期経営計画(2023-2025)発表会を開催した。前中期経営計画の振り返りや今後の展開について説明。発表会には約20人が参加した。

ツインバードの2022年度業績についてツインバード渡邉桂三CFOが説明した。売上高が109億3,000万円(2022年度中期経営計画目標131億8,000万円)、営業利益が4,000万円(2022年度中期経営計画目標4億8,000万円)と目標未達となった。家電製品事業では、新商品開発とDXへの投資を総額34億円実施したが売上高は減少。材料費高騰や固定費増加が要因と説明した。

前中期経営計画の振り返りとしては、FPSC事業(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)においてワクチン運搬庫の大型受注により2020年度、2021年度の業績は目標値を大幅に上回る一方、出荷台数のピークアウトを迎えた。そのため従来から取り組む主要4分野(医薬・計測・エネルギー・食品)での売上高は微増に落ち着いた。

次に長期ビジョン(VISION2030)について野水重明代表取締役社長が説明した。「『お客様満足No.1』のその先へ、〜燕三条発のイノベーションで、世界中の人々に持続可能な幸せを提供するブランドになる〜」というビジョンに向け、家電製品事業ではブランド投資を結実させ、「熱狂的なファン」を100万人獲得する。FPSC事業では世界の人々の健康と、持続可能な社会づくりに貢献すると意気込みを述べた。

新中期経営計画(2023-2025)について渡邉CFOが説明した。新中期経営計画では戦略的投資55億円を掲げ、家電製品事業では「シンプルでこだわりの強い少人数世帯の生活者」をターゲットに「匠・感動」商品を中心に生活必需品のラインナップ強化を目指す。

また、ツインバードの独自性あふれる製品を拡充するためにも積極的な新商品開発投資を実行するほか、海外市場の開拓にも積極的であり、東南アジアを始めとした東アジアでの自社ブランドやOEM事業の展開を通じてパーパスにもある「グローバル視点で活動し、国内外の社会課題を解決する」を目指すとしている。

一方、発表会では「1ドア冷凍庫」のお披露目もした。冷凍食品市場の拡大やふるさと納税を利用する消費者の冷凍ニーズに応える161リットルの大容量サイズと上質なデザイン、業界最高クラスの省エネ率201%(大手5社平均119%)が特徴である。

発表会では「1ドア冷凍庫」のお披露目も

今後は、ツインバードの世界観を発信するためにも2025年までにポップアップストアや自社ストアも展開する。FPSC事業ではワクチンに加えて、安心安全なコールドチェーンを求める医薬品のグローバル成長市場において「抗体医薬品&細胞治療薬&遺伝子治療薬」に向けた事業拡大を検討しているとし、さらなるグローバル展開を目指す。

野水社長は「家電製品を通じて、美味しいという感動体験を全国のお客様に伝えたい。300人の会社だからこそできることがある。時代に左右されない、ずっと安心して使える、製品を通じて本質的な豊かさを伝えられる、サスティナブルなブランドにする」と話した。

(文・撮影 清水里紗)

 

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