【記者コラム】にいがた経済新聞編集部発「今週の編集後記」
編集後記
最近の取材まとめ
新潟県上越市では、8月19日、20日に上越市出身の戦国武将・上杉謙信公を顕彰する「第98回謙信公祭」が実施されたが、熱中症の危険があるとして、8月20日のメインイベントの出陣行列が急遽中止されるなどハプニングもあった。
上杉謙信公といえば、敵に塩を送ったことで有名だが、これは謙信公の「義の心」が原点である。その謙信公「義の心の会」会長である石田明義会長にこのほど取材した。
石田会長は「武田信玄に塩を送ったが、実はあれは無償ではありません。適正価格で山梨の民衆に販売したということです。逆に言えば、コロナ禍のマスクと一緒でいくらでも高くしても売れたはずですが、謙信はそうはしなかった。人間は塩分がないと死んでしまう。謙信は人の弱みにつけこまず(私利に走らず)、山梨の民衆に大変ありがたがられた。これが義の心です」と話した。
また、石田会長は「謙信は戦に負けなかった戦の天才だったが、不思議と領土は増やしていません。謙信は天下統一ではなく、今でいうと、ウェルビーイングを目指していたのだろうと思います。ハンデのある人たちにも優しかったし、みんなで全体が幸せになる世の中を目指していたのではないか」と語った。ちなみに謙信公「義の心の会」では、今後、上越市の春日山に「謙信公ミュージアム(仮称)」の建設を提言している。
塩の道と言えば、新潟県糸魚川市から長野県松本市へと続く道だが、その糸魚川市で、市立のコワーキングスペース「クラブハウス美山」を先ごろ取材した。
昨年の6月1日から運用を開始して1年が経過した時点で取材したのだが、5月からコロナウイルスが5類に移行したことに伴う影響について聞くと、東京から移住して糸魚川市の地域おこし協力隊として赴任した永田伊吹さんは「そもそもうちはコロナ禍の恩恵を受けていないので、5類に移行してからも利用者は減っていないです」と語る。
強みはと聞くと、糸魚川市産業部商工観光課課長補佐企業支援係の山崎和俊係長は、「新幹線の駅から近くの美山公園内という緑が多い環境ということが一番です。上越市、妙高市にもコワーキングスペースはありますが、首都圏の人から見れば上越地域という一括りで、上越市と糸魚川市の違いはそれほど重要ではないかと思います。それぞれの利用者が増えればいいと思います」と話していた。
最後に、上越市で理髪店を経営する横田稔さんを紹介したい。
横田さんは、本業の理髪店の傍、趣味でイラストを描いている(写真はカップヌードルの絵)。それも鉛筆と定規を使った描き方で、線を引いて描く「ライン画」と呼んでいる。
横田さんにこだわりを聞くと、「自分の中では人物は描かない。それと、『これを描いてください』と言われて、断る勇気も必要だと尊敬する絵の先生から言われたので、自分の画風に合わないものを無理して描かないと決めています」と語った。
自作の絵を理髪店の店内に飾っている横田さん。「ライン画は非常に細かい作業です。手先の器用さには自信があります」と笑顔で語っていた。なお、横田さんは、10月14日〜16日、上越市の大島画廊で3人の合同作品展を開催する。
上越地域の魅力ある人や場所はまだまだ多い。そんな情報をこれからも発信していきたいと思う。
(編集部・U)
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