【キシャメシ】9月4日 世界のSUWADAは「社カフェ」もスゴい!オープンファクトリーでいただく英国風スコーン
午前中の三条市から、午後アポの見附市に向かうにあたって、ちょっと寄り道をしていくことにする。三条と見附を結ぶ三国街道中通り沿いには、株式会社諏訪田製作所のオープンファクトリーがある。
「世界のSUWADA」の数あるプロダクトで最も有名なのは、ニッパー式爪切りで間違いない。イタリア・ミラノの高級刃物店に並び、世界中で日本円にして1万円を超える爪切りが飛ぶように売れ続ける。そこに日本の工業製品のレベルの高さを見る人もいる。工業製品といっても、ひとつひとつが職人の手仕事によるフィニッシングだ。それによって切れ味と同時に、あの吸い込まれるような機能美が生まれる。
実は諏訪田製作所のオープンファクトリーに行きたい理由は工場見学だけではない。ここの「社員食堂」(一般も利用可能)が、もうとにかくスゴいらしい。「キシャメシ」のネタモトにもなっている某公共放送人気番組「サ〇メシ」にも紹介された。その「社食」という言葉のイメージをかけ離れた「SUWADAショクドウRESTAURANT CUIQURIT(クイキリ)」のランチがとにかく素晴らしいという話を聞いたのだ。
現地に着いたのは11時45分、キシャメシにはベスト。いざオープンファクトリー!
あら?月曜日は工場が休みなの?えー、ここまで来て~(事前に調べないで来る方が悪い)。
とりあえずレストランに併設する「カフェSmith(スミス)」でいったん落ち着くことに。ちなみにSmithは古英語で鍛冶屋の意。
メニューを見ると軽食もあるじゃないか。じゃあ今日のキシャメシはSmithで。メニューから税込660円の「パニーニセット」をオーダー。パニーニはイタリアのホットサンド。ドリンクはミルクを豆乳にチェンジしたカプチーノを。
というわけで着皿。パニーニ良い感じ。本場さながらにざっくりモチモチしたチャパタ(小麦粉、塩、水、オリーブオイル、酵母だけでつくられるシンプルなパン)に挟まれたモッツァレラと生ハム、黒い粒はおそらくタプナード(黒オリーブ、アンチョビなどをフードプロセッサーにかけて作るディップソース)。
素材がしっかりしている。カプチーノにもめちゃ合う。付け合わせに地野菜のピクルスも良し。この値段で、びっくりするほどのクオリティ。
ここでメニューにもう一度目を落とすと「日曜祝日と月曜限定、自家製スコーン」(2個入り税込440円、ドリンクとセットで660円)が飛び込んできた。
スコットランド発祥で、今では英国全土で食べられている。米国の「ビスケット」(ケンタでおなじみ)とよく似ているが、こちらは粉にバターを練りこんであるスタイルで食べ応えがある。
そういえば諏訪田製作所は、欧州の営業拠点として最初に英ロンドン支店を開設したのだった。その意味でも所縁の深いお菓子じゃないか。というわけでさっそく追加注文。
おっほー!焼きたての自家製スコーン登場。見るからに良き良き。添えられているのはイチジクのジャムとクロテッドクリーム。後者は日本ではあまりなじみがないかもしれないが、英国流でスコーンのお供といったらこれ。
どちらかといえば素朴な味わいのスコーンをリッチに引き上げる。本場流なら、ジャムもクロテッドクリームも一緒に塗るスタイル。
まずは定石通りスコーンを半分に割って、そのふかふかの部分にクリームを塗り、さらにジャムを乗せる。その姿はもう「愛のかたまり」。めちゃめちゃ美味しい。英国の食文化はいろいろ言われはするが、アフタヌーンティーの文化に関しては掛け値なしに豊かだ。
本命のレストランには行けなかったが、結果的に大満足。世界のSUWADAは「社カフェ」も品質が高い。「デートで行きたい町工場」なんて、新潟が誇れるコンテンツじゃないのか。
(編集部・I)
【SUWADAオープンファクトリー内カフェSmith】
新潟県三条市高安寺1332
営業時間10時~17時(軽食提供時間は15時まで) 休みは年末年始と4月1日のみ
【グーグルマップ SUWADA OPEN FACTORY】
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【前回のキシャメシ】
8月31日 「南南西に進路を取れ」ペッパーランチイオンモール新潟南店(新潟市江南区)