【社長に聞いてみた】新潟ふるさと村「アピール館」の新命名権者、ワン&ピースグループの地域貢献意識

ONE&PEACE株式会社・吉沢一孝社長

「10月のリニューアルオープンに向けて、準備も整いつつある。ひな形も出来上がった」(吉沢一孝社長)

「新潟ふるさと村」内の「アピール館」(新潟県所有)は1993年の道の駅オープン以来新潟県の歴史・文化・最新観光情報の発信拠点として役割を負ってきたが、今年10月に大規模リニューアルを敢行。施設名も新たに「ファイブワンいいね!新潟館」として生まれ変わる。

施設のネーミングライツ権を獲得したのは、新潟市と長岡市に計4店舗の中古車販売業者「ファイブワン」や、県内3店舗の車買取店「ラビット」などを展開するワン&ピース株式会社(新潟市)。ネーミングライツ契約期間は5年で、費用は年間200万円。決して低くないコストに見えるが、それでも吉沢社長にとっては念願の初ネーミングライツ権だ。

新潟市民の多くが、ここ新潟ふるさと村に思い出を抱く、特別な場所でもある

「私どもがいくら『安全安心の中古車を扱っています』と発信してもなかなか一般レベルに届きにくい。それは中古車業界がもたれているイメージもあるだろうし、発信力の限界もある。しかしこうした公(おおやけ)の、オーソライズされた施設などに会社名が入っている時点で、見た人の印象に影響する。『地元に根付いた実績のある会社なのだ』『地域貢献に一生懸命な会社なのだ』など、そこにある名前だけじゃなくいくつかのポジティブな情報が付加されるのは大きい」と吉沢社長は話す。確かに見た人は「県の施設に名前をつけているのだから、それなりにしっかりした会社」という漠然とした印象をもつ。一般レベルで会社の信用が上がり、採用などで有利に働くこともあるかもしれない。その意味で、ネーミングライツという媒体は、見た目以上の費用対効果が望めるのかもしれない。

「ネーミングライツは、ビッグスワンや野球のスタジアムなど、大手企業だけのものかと思ったが、県の資料を見ると、意外に私どものような小規模の会社も利用できるもの多い。それこそ県道にも名前がつけられる」(同)

新潟ふるさと村「アピール館」は「ファイブワンいいね!新潟館」となった

ただ、吉沢社長がネーミングライツ権の取得に乗り出したのは、決してメリット先行ではない。地域貢献の意識が実に高い会社なのだ。女子プロバスケットボールのアルビレックスBBラビッツのスポンサードや、モータースポーツの選手のサポート、花火打ち上げ、地域の祭りへの協賛と「地元が元気になる」ことを企業の糧と考える。新潟の経済は、新潟で活性化できるという信念を持った会社経営を行っている。

中古車販売業界がいろいろな意味で過渡期に揺れる中、全国に展開する大手ではなく、地域と絆を持ち続けるドメスティックな販社に光が当たるのは、人と車のかかわり方を考えれば必然だ。

(文・撮影 伊藤直樹)

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