【ジュンク堂書店新潟店 提供】書店員が選ぶ「今月のおすすめ本」2023年9月、「本好き、本屋好きにはたまらない本」3選(再掲載)

掲載日 2023年9月19日
最終更新 2023年9月23日

今週の独自記事を日曜日に再掲載いたします。(編集部)

ジュンク堂書店新潟店(新潟市中央区)の書店員が選ぶ「今月のおすすめ本」。書店員の眼鏡に映った「今読んで欲しい本」を、書店員の生の声でお届けします。

店員が選ぶ「今月のおすすめ本」2023年9月(提供 ジュンク堂書店新潟店)

新人スタッフが入社した際に一通り研修を行いますが、私はISBNとバーコードの関係について話をするのが大好きです。ISBNは978から始まる13桁(もしくは4から始まる10桁)の数字で、これでどの国の・どの出版社の・どの本なのかが分かります。

ISBNとバーコードの関係は?(提供 ジュンク堂書店新潟店)

ISBNの下にはCコード(4桁の数字)と本体価格、更にその隣には2段のバーコード。このバーコードの上段の数字を見てみると、ISBNと同じ数字が書いてあります。また、下段のバーコードの数字をよく見てみると、Cコードと本体価格が隠れているのが分かりますか?レジでピッとスキャンする=ISBN、Cコード、本体価格が登録されていることになります。

明日誰かに話したくなる豆知識の様なものですが、毎度すごいでしょー!とテンション高く語ってしまいます(肝心の反応はマチマチですが)。

商売柄周りには本好きが多いもので、この記事を読んでくださっている方もそうだろうと勝手に決めつけて、本好き・本屋好きにはたまらない本を3冊紹介したいと思います。(ジュンク堂書店新潟店 店長・安達麻美子)

 

本のある空間採集(学芸出版社)政木哲也 税込2,750円

本のある空間採集(学芸出版社)政木哲也 税込2,750円(提供 ジュンク堂書店新潟店)

この本は個人書店・私設図書館・ブックカフェなど、国内の様々な「本のある空間」のあらゆる寸法を実測し、立体的な図として描き起こし、1冊にまとめたものです。

棚の材質や幅・高さ、レイアウトや間取りが書かれた建築書なので、建築家の作図と什器やインテリアの説明文が中心で、写真は最小限。ですが、深夜に営業する戦後の医院建築の古書店や、撤去予定だった電話ボックスを再利用して作られた80cm四方の極小図書館などなど、滲み出るオーナーさんたちのこだわりや個性が想像力を掻き立てて、夢中で読み進めてしまいます。

どれも皆一目で店内が見渡せるくらいの小さな空間を取り上げていて、新潟からも無人の本屋さんが掲載されていますよ。ネットで気軽に本が買える様になり、本屋さんの閉店ニュースが相次いでいますが、やはり本に囲まれた時の感覚は何ものにも代え難いものがありますよね。

本屋さん巡りをする旅に、いつか出てみたいものです。

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美しい本屋さんの間取り(エクスナレッジ) 税込1,980円

美しい本屋さんの間取り(エクスナレッジ) 税込1,980円(提供 ジュンク堂書店新潟店)

実際に本屋さんを始めたくなったらこの本を。内装や動線などの設え方、コンセプト作りや陳列方法などの見せ方、そして本の部位名称や流通の仕組みなどの基礎知識が解説されています。全国の個性豊かなお店の事例と共に解説されているので、実際の開業予定は無くとも、妄想書店開店計画だけで、わくわくニヤニヤしてしまうこと請け合いです。

レジの場所一つとっても店主の意図があって、なるほどー!となりますし、本を陳列する本棚も、作り付けにしたりDIYをしたり木箱を積み上げたり…どんな高さ・材質にするか、壁一面天井までぎっしり本を詰めるか、低い棚で開放感を出すか…本当に本屋さんの数だけ色々なコンセプトがあるのだと、感動してしまいます。

この本を見ながら、本屋にいるのに「本屋に行きたい!」とスタッフと一緒に叫んでしまいました。

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書籍修繕という仕事(原書房)ジョエン著、牧野美加訳 税込2,200円

書籍修繕という仕事(原書房)ジョエン著、牧野美加訳 税込2,200円(提供 ジュンク堂書店新潟店)

素敵な本屋さんで本を買ったら、思い出と共に大切に読んでいきたいものですね。この本は、アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた著者が、ソウルで書籍修繕店を開き、日々の依頼に向き合い感じたことを綴ったエッセイです。

彼女の元には、ページは破れ、表紙も無く、背が割れてバラバラになってしまっているものなど、実に様々な本が持ち込まれます。それらは親の形見であったり、長年愛用し更に子どもに譲り継ぎたいものだったり、旅の思い出だったり。どれもそれぞれの愛着が感じられて、48ページにも及ぶ口絵のビフォーアフターを辿りながら読み進めていくと、一冊一冊の人生ならぬ“本生”が愛おしくなります。

もとどおりに戻す“復元”ではなく、“修繕”することにより、落書きの後はそのままに、破れや欠損を補完し、表紙やスピン(紐状のしおり)を付けて新たな可能性に満ちた姿に生まれ変わらせることが出来ます。

そして修繕は本を直すことだけでなく、傷だらけシミだらけにしてしまった罪悪感を、本が生きてきた証であり、また今後何十年も愛していける強度と言う安心感に変えてくれるのだと思います。

傷や汚れがつくとショックを受けてしまいがちですが、決して乱暴に扱ったわけではなく、自分の痕跡が沢山つくほど大切に読んだ証なのだと思ったら、自宅の本により一層愛着が持てそうです。

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(提供)ジュンク堂書店新潟店

 

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