【キシャメシ】9月18日、新潟市東区「喫茶カンポス」で食べるノスタルジックな王道「キッサメシ」
「明日、新潟に行くから、昼に鰻でもどう?」「喜んで」
クライアントの社長と昨日電話で交わした会話である。その時は小踊りしたものだ。例によって先方の社長のご都合が変わり、鰻はキャンセルになった。さて、何を食べるか?
新潟市東区に「カンポス」という老舗の喫茶店があるのを不意に思い出す。創業45年以上というから、昭和の時代から歴史を刻む店。記者も長年の取材生活の中で、打ち合わせや取材などで幾度かお邪魔したことがある。コーヒーは抜群にうまい。だがどういうわけか、いつもコーヒーばかりでフードメニューに世話になったことなかった。そして今、ちょうど東区にいるということは、是非に及ばず、だ。
東区は中山にある通称「ハチの巣商店街」にカンポスはある。なんともノスタルジックなたたずまいが良い。入店すると、ランチ時だけあって、ほぼ満席。
年配の夫婦らしき二人、ランチに来たマダムのペア、母親と娘息子たち、若めのカップルなど、一見して「近所の人々」とわかる。地域密着で親しまれているお店だ。
スタッフ(マスターの奥様か)がメニューを持ってきながら「少しお待たせしますが・・・」と申し訳なさそうにする。いやいやランチ時に来たこちらが悪い、ゆっくり待たせてもらいます。カウンターの内側に目をやると、粋に蝶ネクタイをした年配のマスターが大車輪でランチタイムに対応している。
メニューにあった「カンポスランチ」(税込750円)を注文。ドリンクが付くのでアイスコーヒーを頼む。フードメニューはかなり豊富だったが、ランチ初見ならこれを頼むしかないだろう。「コーヒーは2杯分ついていますから、ゆっくりしていってくださいね」と言われる。これは嬉しい。さっそく待っている間に「一杯目」をいただく。
老舗喫茶のアイスコーヒーって、ハズれなく美味い。本棚から「スラムダンク12巻」を手に取り、読み始めて佳境に差し掛かるころに「カンポスランチ」が着皿した。アイスコーヒーの「2杯目」も持ってきてもらった。
もうね、思わず声に出しちゃいました「こういうので良いんだよ」と。厚切りのトースト、フレンチドレッシングがかかったサラダにはウサギ型にカットしたリンゴ、厚切りのチーズ二切れ(本来はコロッケらしい)、そしてオムレツ。こいつは「王道キッサメシ」。昭和の時代、喫茶店で腹ごしらえといえばトーストだった。美味いよ、普通に。見栄もてらいもない普通のトーストセット、でもこういうのがおじさん記者にはしみたりする。料理そのものより、ここで過ごす時間が心地よい。
食べ終わって、ついスラムダンクの残りを読もうとする。いかんいかん仕事に戻らなきゃだ、また来よう。
(編集部 I)
【喫茶カンポス】
新潟市東区中山5丁目21-10
営業時間 10時半~22時 火曜定休
<グーグルマップ>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【前回のキシャメシ】