コジマタケヒロのアルビ日記2023 Vol.17 松田詠太郎 「変える男」

アルビレックス新潟の松田詠太郎選手

アウェイで行われたJ1第27節のG大阪戦。
前半は一進一退。試合が動いたのは、63分。G大阪の食野亮太郎選手がペナルティエリア前でドリブル。ゴール正面に運んだところから右足を振り抜き、シュート。ボールはゴールに吸い込まれ、新潟はG大阪に先制を許した。

その直後、64分に新潟は3枚替え。小見洋太選手に替わり三戸舜介選手、長倉幹樹選手に替わり高木善朗選手、そして長谷川巧選手に替わって松田詠太郎選手がピッチに立った。

「ずっと非常にいい調子を継続している。本人は守備面を課題にしていて、そのことにしっかりと向き合いながら練習にも取り組んでいると思います。G大阪戦でもその課題はいくつか見えたのが正直です。しかし、攻撃面に関しては、チームにいい形で勢いをもたらしていると思うし、チャンスメイクも増えてきていると思います」。
19日の練習後、新潟を率いる松橋力蔵監督は、松田選手についてこう話し、そして続けた。

「詠太郎を起用すると、彼のドリブルを警戒して、中を閉じていた相手の守備がサイドに開かなければなくなる。相手がそういうリアクションをとってくれれば、中央での数的優位が作りやすくなり、高木選手のようにスペースを見つけるのが非常に速い選手が生きてくる。もし仮に閉じてくれるのであれば、外を使って彼のスピードや突破力で相手を揺さぶることができる。彼を起用するのはそういった意味もあります」。

G大阪戦。
83分。千葉和彦選手が左足で出した縦パスが三戸選手へ。三戸選手はこれをスルーし、パスはペナルティエリア直前にいる高木選手へ。高木選手は走り込んできた三戸選手にボールを落とし、三戸選手は加速しながらワンタッチでそのボールを前へ。相手ディフェンダーの股をとおり、再び自らの足元に返ってきたボールを三戸選手が落ち着いて相手ゴールへ流し込み、同点に。

流れるような一連のプレーが始まる直前、相手の宇佐美貴史選手が、右サイドにいる松田選手をチェックするよう、味方に促す仕草が見られた。

「自分はサイドに張っているのが得意なので、ほかの選手とのポジショニングの違いであいての守備にズレが生じることがあります。その分、中にスペースが生まれると思うので、そういったところをしっかりとチームメイトが生かしてくれていると思います。それこそが自分が試合に入ったときの狙いだと思いっているので、そういった面ではいい連動、いい攻撃ができていると思います。ここ数試合、後半から出て試合の流れを変えられているという認識はあります。次はそれが結果につながるようにやっていきたいと思います。〜中略〜残り試合は少なくなってきましたが、とにかく一点を早く取りたいし、アシストもできる限り増やしたいと思っています」(松田選手)。

ホーム・アウェイ関わらず、松田選手がボールを持つとスタジアムにサポーターの声がこだまする。ドリブルで仕掛ければ、その声はより一層大きくなり、相手をかわそうものなら、スタジアム全体が湧き上がる。

今季、新潟のジョーカー的存在として試合に臨むことの多い彼には「試合の流れを変えてくれ!」。そんなサポーターの想いも重なり、先のような声援が昨季に増して大きくなっているように感じる。

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