【国境なき医師団を騙る詐欺】多額詐欺被害を未然防止した金融機関職員を新潟中央署が表彰
新潟中央警察署と新潟中央防犯協会連合会は9月21日、多額詐欺被害を未然に防止した金融機関とその職員に対し感謝状を贈呈した。
感謝状が贈呈されたのは、三井住友信託銀行株式会社新潟支店(新潟市中央区)の中西洋一支店長、同行の窓口担当である古金直美さんと清田まり子次長。
8月2日、古金さんは窓口で80歳代の女性客から口座振込の申し出を受けた際、133万円という高額であったため振り込み理由を確認。
古金さんは、80歳代の女性が「息子の渡航費用のため」と答えたことから詐欺被害の可能性を疑い、次長の清田さんに対応を引き継いだ。清田さんは80歳代の女性客の説得を続けるとともに警察へ通報を行い、多額詐欺被害を未然に防止したという経緯。
警察によると、80歳代の女性宅にあるパソコンに「国境なき医師団から委託を受けた」という業者からメールが届いた。この如何わしい業者によると、被害者の息子の友人が某国に国境なき医師団の一員として派遣されているのだという。
さらに、その息子の友人が滞在中に爆撃を受け怪我を負ったと偽り「日本に帰国したいが紛争中であるために金銭が用意できない」という虚偽の内容を騙って、荷造りの費用として133万円を振り込んで欲しいと要求してきたという。
その内容を信じた80歳代の女性は銀行へ行き、振込を行おうとしたが、銀行職員の機転により未然に防止された。
当時窓口業務を担当していた古金さんは、「未然に防ぐことができて、本当に良かったと思う」と話し、清田次長は「高齢の利用者様の現金の払出や出金には、特に注意を払って対応している。失礼にならないように、振込理由などを聞かせて頂いています」と語った。
新潟中央署の左京秀明署長は、「(銀行などで)違和感や不信感を感じたら、すぐに警察に電話をください。すぐに警察が駆けつけます」と呼びかけた。