【約32年ぶりの水準で人手不足】日銀新潟支店が会見、県内の景気や雇用情勢について言及
日本銀行新潟支店は10月2日、県内の金融経済動向を発表し、「県内の景気は、原材料の影響などを受けつつも。緩やかに持ち直している」との基準判断を示した。また、県内の雇用情勢についても触れ、「人手不足感が引き続き強まっている」との見解を述べた。
日銀新潟支店の小林俊支店長は県内の景気について「物価高の影響が指摘される中でも、百貨店やスーパーの販売額は回復が続いている。サービス消費もお祭りなどのイベント開催がコロナ禍前の形に戻っており、サービス消費は回復している。引き続き、物価高と消費の関係は注視していきたいと思う」と話した。
県内における雇用人員判断の数値が-43となり、約32年ぶりの過去最低に近い水準(統計開始が1974年の8月、過去最低が1990年の-49)となったことに関しては、「感染症のショックで落ち込んだ需要が回復してきている。その需要のミスマッチが今起きているのだと思う」と述べた。
一方で、「新潟県は全国と比べても人口減少が早い地域なので、(単純に働き手の数が少ないという)構造的な問題もある」と語った。
日銀新潟支店では、全般的な景気動向に対し「輸出に関しては、回復の動きに足踏みがみられる。設備投資は持ち直しの動きがみられる。個人消費は、一部で弱い動きとなっているものの、回復している。公共投資は緩やかに持ち直している。住宅投資は弱めの動きとなっている」との見解を示している。
くわえて生産分野では「回復の動きに足踏みがみられる。企業収益は減速している。この間、雇用・所得環境は改善の動きがみられる」と分析している。