【独自予算を活用】日本郵便の父で新潟県上越市津有区出身の偉人・前島密などをテーマにしたパンフレットを作成 津有区地域協議会
新潟県上越市の地域協議会、津有区地域協議会が日本郵便の父で同区出身の偉人、前島密などをテーマにしたパンフレットをこのほど作成した。地域協議会では初となる上越市の独自予算を使った画期的な取り組みとなった。
市内28区に設置される地域協議会は、様々な立場の住民同士が各区で課題となっていることなどについて、より良い解決策を導き出していくための話し合いを行い、地域としての意見を取りまとめ、市長に意見を伝えるための会議。任期は1期4年。
令和3年度から前島密をテーマに地域の魅力を掘り起こしてきたが、令和5年度に地域独自の予算が開始したことから、地域協議会委員からパンフレットを作成して各戸に配布してはどうかという案が出て、パンフレット作成の取り組みがスタートした。
パンフレットは市の独自予算を使って3,300部を印刷し、津有区全世帯(1,758世帯)に10月初旬に配布したほか、区内にある小中学校や前島記念館などの公共機関に設置した。津有区地域協議会のほか、区内の小中学校校長、上越市歴史博物館の学芸員、前島記念館館長、郷土の偉人前島密翁を顕彰する会会長などで構成する津有区パンフレット作成委員会を今年4月から8月まで月1回開催し、協議を重ねてきた。
パンフレットはA4版カラー全15ページで、内容は地域の施設紹介や郷土の偉人、農業や産業の解説に加え、後半は同区出身の前島密について足跡などを通じて見開き2ページを使って紹介している。なお、小学校5年生以上が対象で、子ども用にルビも振ってある。
上越市自治・市民環境部自治・地域振興課中部まちづくりセンターの小林勲センター長は「皆さん思いが強く、編集作業がまとめるのが大変だったが、前島密さんという軸があったのでありがたかった。まずはこれを見て、地域の良さを再認識して地元を誇りに思って欲しい。地域の祭りや清掃活動などまとまりや結束を持って欲しい」と話した。
また、上越市津有区地域協議会の藤本孝昭会長は「まずは楽しいことからやってみようということで、前島密は津有の宝であると1年目の終わりの3月に話が出た。最終的には独自の予算となったが、当初から違う形での財政的な裏付けがあったので良かった。私たち自身が津有区を見るという機会にもなった。ぜひ、津有区に来て、前島密さんを見にきてもらいたい」と話していた。
なお、関連イベントとして、2025年3月31日まで、前島記念館や謙信公武道館、保坂邸など区内5か所の津有めぐりスタンプラリーを実施しているほか、11月18日、19日には上記の同区公共施設などをまわる日帰りバスツアー「バスで行く津有めぐり」を実施する。
(文・撮影 梅川康輝)
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