【キシャメシ】10月9日 新潟県三条市「たいぶん」カフェの海老ピラフとクリームソーダで「昭和インスパイア」を味わう
日々の取材活動の中で、その日の昼めしを綴るというのが本キシャメシのコンセプトなのだが、今日は禁を冒したい。諸所の事情で本日のキシャメシ取材が困難だったこと、先週訪れたお店で特に紹介したいところがあったというのが理由。
訪れたのは、三条市体育文化会館、通称「たいぶん」。2019年12月のオープン以来、催し物や市民の健康づくりの拠点として、日々多くの人が集まる場所となっている。
この館内に今年6月オープンしたのが「SUMER(シュメール)」。カフェテリアスタイルだが、軽食の域を超えるしっかりした食事と、厳選のクラフトビールが売り。公共施設内でアルコールが楽しめるのはが新しい。
感心するのは、平日はワンオペで回しながらも「温め返し」のメニューに頼らず、しっかり調理しているところ。「軽食の域を超えた」というのはそういう部分である。名物「鶏山椒そば」(税込700円)など、こういう場所にある割には創作性にあふれる献立が多いのもうれしい。
また「喫茶店のナポリタン」(税込800円)のように昭和世代のハートをがっちりつかむメニューも目立つ。「たいぶん」の館内にあるのだが、すでにこの店を目的に訪れる人も多くなっている。
今回はこの「ノスタルジックシリーズ」(勝手に命名)の中から「塩こうじエビピラフ」(税込700円)と「メロンくり~むソーダ」(税込400円)をオーダー。エビピラフとクリームソーダか。昭和生まれなら、子供のころを思い出さないか。たまに母親に手を引かれながら連れて行ってもらったデパートの食堂を。こういう取り合わせこそが、昭和の非日常の象徴だった。
まずは塩こうじ海老ピラフをひとくち。しっかりとした作りこみだな、と思う。塩こうじのせいでまろやかなトガリのない味わいになっており、どんどん食べられる。独特の旨みも、塩こうじの効用だろう。上に乗ったぷりぷりの海老もよろし。昭和の時代にはありえない完成度の高さだ。
クリームソーダは、うん、おそらく昔ながらの味わい。あまり進化のしようがないが、それが良い。ちょこんと乗ったレッドチェリーが、また泣かしにくる。このビビットカラーに、昭和の「ハイカラ」はあった。
三条市「たいぶん」のカフェで、少しほっこりした昼のひと時を過ごさせてもらった。
(編集部I)
【シュメール三条店】
三条市荒町2丁目1-3
営業時間 10時半から20時
定休日は基本なしだが不定休。「たいぶん」のホームページに休店日のお知らせがあるので参考に。
<グーグルマップより>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【前回のキシャメシ】
10月6日 秋の曇天に沁みる濃厚中華そば、三番目の娘(新潟県三条市)