【警察と消防による命の連携】「『当たり前のように』終わるというのが非常に難しいこと」新潟南警察署と南消防署が合同訓練
新潟南警察署と新潟市南消防署は10月11日、警察と消防の連携強化のために合同訓練を実施した。
合同訓練は南消防署の敷地内で実施された。訓練の内容は、新潟市南区の市道上において、体調不良が原因で45歳男性の運転する車両が単独交通事故を起こし、運転手の45歳男性が心肺停止状態、同乗していた24歳男性がダッシュボードに足を挟まれ、車両から脱出できない状態に置かれているという想定で訓練が実施された。
助手席の男性の通報で駆けつけた警察が、運転手および同乗者の意識を速やかに確認すると、運転手の意識がないことを確認し心臓マッサージなどの応急処置を施しつつ、交通整理などの安全確保に努めた。
すると、間もなく救急車と消防車が駆けつけ、警察官から現状の確認事項が伝えられると、要救助者の救助活動が行われた。警察官や消防署員が車両内の人に「もう少しですからね」「頑張ってください」などの声をかけていた。
最初に車両から救助されたのは、心肺停止状態の45歳男性。車両は助手席側のドアが事故の影響で開閉できない状態だが、運転席側は開閉できる状態という想定のため、慎重に運転席から45歳男性を担架に移動させると、そのまま応急処置を施しながら救急車に収容され、搬送された。
その後、ドアの開閉ができない状態である助手席の男性の救助が行われた。特殊な工具を使い、運転席側のドアを開き(訓練では想定)、声をかけながら慎重に運転席側から外へと運び出した。
その後、24歳男性も救急車に乗せられ、救急車で搬送されたところで合同訓練は終了した。訓練は終始、緊張感がある雰囲気で実施され、警察官と消防署員が各々の役割を粛々と全うしていた。
訓練後の総括で南消防署の小野博文署長は、「今日の訓練は、無事当たり前のように終えることができた。この『当たり前のように』終わるというのが非常に難しいことだと思う。これは、皆さんが普段の訓練、そして通常業務の災害対応をしている中で蓄積されたスキルだと思う。今後もお互いにスキルアップをしていきながら、南区民や県民、国民の安心安全を守っていただきたいと思っている」と語った。
事故や災害現場において、警察と消防の連携は欠かせない。こういった取り組みが、新潟県民や国民の安全に直結している。