【村上新聞】お寺に熊?村上市・医泉寺の観音堂が荒らされる 人的被害はなし

観音堂内部は畳が剥がされるなどのおびただしい被害も

村上市岩沢の医泉寺(菊地光彦住職)で13日朝、敷地内にある観音堂に、熊と思われる野生動物が侵入した形跡が見つかった。

発見したのは掃除に訪れた地元住民。土蔵造りの外壁の木板が剥がれていると聞かされた菊地住職は、「強風で剥がれたのかと思ったが、土壁に穴でもを開けようとした箇所があった」と建物や周囲を確認。すると、壁面の木板が数箇所破損しており、また、入り口付近には足跡や爪痕を発見。引き戸となっている扉も開けられており、観音堂内部は法要等で使用する備品が散乱し、畳や壁板も破壊されていた。

「観音堂は明治期に建てられたもので、破損のひどい隅には昔からハチが巣を組んでいた。それを狙ったのでは」と菊地住職。もともと祀っていた観音像や位牌などは本堂へ移設していたため無事だったものの、同市薦川集落でかつて産出されていた赤みを帯びた貴重な石が使われているなど、長年檀家や地域住民に親しまれてきた趣と歴史のある同寺が野生動物に荒らされたことの衝撃は大きい。

近隣集落でも今月に入ってから複数の熊が捕獲されているなど、引き続き警戒が必要。地元猟友会メンバーは「破損の様子、足跡や爪痕、糞などから1頭のみとは限らず、1回だけやってきたかどうかもわからない」、関係者らは「修繕が保険等が適用されないのでは」と頭を悩ませている。

菊地住職は「夕方には子どもたちが遊んだりする憩いの場でもあるため、熊などが通る道となっているのであれば怖いため、注意を呼び掛ける。まずは今回、人的被害がなくてよかった」としている。

 

村上新聞

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