【地域産業の魅力を発信する3週間】「あがのわくわく産業フェア」開幕、地元高校生の企画した新スイーツも登場(新潟県阿賀野市)
新潟県阿賀野市全域が会場となり地域の魅力を発信する「あがのわくわく産業フェア」が2023年も開幕した。10月15日から11月5日までの3週間、約60の事業所が体験企画や割引サービスなどを用意する。
初日には道の駅あがのでキックオフイベントが開催。市内事業者による出店やステージイベントのほか、阿賀野高校の生徒が考案したスイーツ「はちみつレモンヨーグルトプリン」も販売され、大いに賑わった。
産業の祭典、道の駅あがのからスタート
「あがのわくわく産業フェア」は今回で11回目の開催。市内4エリアの飲食店、酒蔵、農園など、業種の垣根を超えて集まった市内の事業所が協力し、体験企画、特別グルメ、割引サービスなど、店舗独自の催しで市の産業をアピールする。
キックオフイベントは昨年にひきつづき、2022年に開駅したばかりの道の駅あがので開催。米屋かたぎりの「新米ガーリクライス」をはじめとしたグルメから、小林造園の「花かんむり」づくりや市内の寺院による「煩悩射的」など個性的な催しが出店し、地元グループによるパフォーマンスなどステージイベントも多数開催。同日はあいにくの雨ではあったものの、続々と市内外から家族連れが来場していた。
フェアの様子を見て道の駅あがのの坂井文駅長は「以前から産業フェアにはお客さんとして参加していたので、こうして(運営側として)参加できることは大変うれしいこと」だと目を細める。
つづけて「阿賀野市外からだと、まだ道の駅あがのに来たことがない人も多い。ぜひ『産業フェア』で道の駅まで来てもらって、さらに市街地まで足を運ぶ機会になれば。また、そうしたきっかけとしてこのイベントが来年以降もつづいていけば」と今後にも期待を込めた。
地元の食材でオリジナル商品、地元高校生の挑戦
会場には、自分たちで企画した商品を販売する地元・阿賀野高校の生徒の姿も。阿賀野高校では、インターンシップなどを通して地域課題について考える「地域デザイン」という授業を行っている。3年生の土屋光雅(こうが)さんをリーダーとする班では、市内の和洋菓子店・最上屋菓子店と協力してオリジナル商品の開発に挑んだ。
土屋さんたちが企画した「はちみつレモンヨーグルトプリン」の材料は、八米(はちべい)の蜂蜜、神田酪農の牛乳、ヤスダヨーグルトのヨーグルト、脇坂園芸のエディブルフラワーと、すべて地元の名産品。濃厚なヨーグルトにレモンゼリーの爽やかな味わいを合わせ、また花弁の鮮やかな色彩を散らして見た目も美しい一品となった。
開発が始まったのは6月ごろ。最初にカップのデザインがあり、それに合うスイーツというコンセプトで考えていった。「最初はイチゴを使った商品を考えたけれど、季節の問題もあってそれが厳しいと分かったので、使えそうな特産品を色々調べて今の形に行き着いた」(土屋さん)。そして、自分たちだけでなく周りの人にも試食してもらいながら意見を集めて調整を重ね、完成へこぎつけたという。
7月には市のPR活動に同行し、JR大宮駅(さいたま市大宮区)でも発売。「2日間で販売する予定が、1日で完売した」と班のメンバーたちは嬉しそうに語る。そして「自分たちの考えた物が、実際に売れるということがすごいと感じた」と口を揃えた。
材料を提供した脇坂園芸の脇坂裕一さんは「特産品を使うことで、若者たちに地元の阿賀野市を意識してもらえ、商品開発の中で生産者と知り合うこともできる良い試みだ」と話す。そして「今回をきっかけに、阿賀野市のほかの産業にも目を向けてくれると思う」と期待した。
「はちみつレモンヨーグルトプリン」は15日限りの限定販売だが、売れ行きや状況を見て、今後も市内のイベントなどで販売する可能性もあるという。生徒たちは「頑張ってつくったので、今後の販売や定番商品化もできたら」と話していた。
【グーグルマップ 道の駅あがの】
【関連リンク】
新潟県阿賀野市 「あがのわくわく産業フェア2023」
(文・撮影 鈴木琢真)
本記事は、あがのわくわく産業フェア実行委員会の提供による記事広告です。