コジマタケヒロのアルビ日記2023 Vol.19 阿部航斗 「反応速度」

アルビレックス新潟の阿部航斗選手

リーグ中断中となる9月15日、チームは新潟医療福祉大学とトレーニングマッチを行った。

「いいところも悪いところもありましたが、自分たちのスタイルを貫いてできたので、そこはよかったと思います」

秋晴れの中での練習後、こう話してくれたのは、阿部航斗選手。

 

今季、新たに取り組んでいるものは?との問いに

「J1で試合に出ているキーパーは、“そのシュート止めるか”というようなビッグセーブが1試合の中でも何本もします。僕もそういった本数を増やしていかないといけないというのは常に考えています。自分一人でゴールを守るわけではありませんが、最後の最後で自分が守り切る。そういった意識は今季、通して持っています。そのために、ダイビングの練習時の意識や動き出しを変えるようになりました」

阿部選手のいう、ダイビングの練習とは、ゴールキーパーの数メートル前からコーチがボールを蹴る。これをキーパーがダイビングしてキャッチもしくはパンチングで軌道を変える。このような練習。

「去年まではどちらかといえば、蹴る直前に動き出して、飛んでいました。それを今は、蹴ってから飛ぶようにしています。ここ最近になって、自分の中ではこの練習法の成果を実感できるようになってきています」

口で言うのは簡単だが、実際にやってみるとなると話は別。蹴ってくる方向が分かっているとはいえ、蹴ってから動き出すのと蹴る前に動き出すのでは、結構な時間の違いがあり、ボールまでの距離にだって大きな差が出る。

「自分に足りないものはなんだ、と考えた結果、止められなくてもいいから、蹴られてから動くようにしようとキャンプのときから変更しました。練習や試合で、以前より求められる数も増えましたし、守備範囲も以前より広くなったと思っています」

 

ライバルのチームメイト、小島亨介選手がA代表に追加招集された件については

「率直にすごいなと思ったのと同時に、悔しさがありました。憧れみたいな感情だけではなく、自分の中に悔しさがあってよかったなって。こういう気持ちがあれば、これから先も成長していけるかなと思いました。小島選手と一緒のチームになって今年で4年目。もちろん試合に出場するのが成長には一番ですが、レベルの高いプレーを間近で見ることや、周りの選手からアドバイスをもらうことで、僕自身、成長できていると思います」

 

千葉和彦選手に阿部選手のことを聞いたことがある。

そのとき、千葉選手から出たのはこんな言葉だった。

「みんな試合には出たい気持ちはあるし、出られないと悔しい。でも、そういったことを自分の中で消化しながら、チームに必要な役割を担ってくれるのが阿部ちゃん。本当に頼もしい存在です」

21日の土曜日、新潟はホームに鳥栖を迎える。

阿部選手の存在感ある、大きな声がまたビッグスワンに響き渡る。

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