【キシャメシ】10月20日 トマト・牡蠣・ハーブのエキスが渾然一体、「地中海風」のスープパスタを味わう(新潟市東区)
午前の取材を終えて一息。しかし車に乗り込んで気がつく。キシャメシの担当日だったな、と。「記者のリアルな日常」と謳ってはいても、やはりコンビニ弁当では読者は満足しないだろう。スマホのグーグルマップを開いて、周辺を物色する。すると、気になる店名が目についた。「地中海風料理 Petite」。イタリアンの店だろうか? 徒歩圏内であったのでグーグル検索で答え合わせはせずに、とりあえず向かってみることにした。
店があったのは住宅街の只中。1階部分は駐車場になっており、外階段を登った先の上階が店の入り口らしい。扉を開けてみると、店内は意外と広い。入り口近くに窓外を眺めるテーブル席、そして階段を降りて奥にもテーブルとカウンター席がある。この秘密基地のような雰囲気はなかなか良い。
マスターに促されカウンター席へ。メニューを広げてみると、今度は品数の多さに驚いた。パスタだけでも30を超えている。聞き慣れない料理名も多いが、説明を読めばどれも美味しそうだ。迷った挙げ句、最初に書いてあるなら間違いはないだろう、と「ナポレターノ」を注文した。
数分後にカウンターに置かれたのは、小さな土鍋に入った真っ赤なスープパスタ。グラグラと煮える見た目も、立ち上る香りも食欲をそそる。火傷をしないよう慎重にスープを一口。旨い。トマトと牡蠣のコクに、僅かな辛味が効いている。それでいて、くどすぎないのはフェンネルなどハーブの香りのおかげか。
スプーンとフォークを入れてみると、案外深い鍋の底から小ぶりな牡蠣がゴロゴロと出てくる。パスタと牡蠣を交互に口へ。どこか素朴さを残しながらも、豊富な具材とそこから出るエキスの渾然一体となったこの感じ。なるほどこれが「地中海風料理」。確かに、単純に「イタリアン」とは呼べない。
おそらくこの店でしか食べられない味。そうなるとまだ30以上あるほかのパスタも気になってくる。今度来た時はクリーム系のパスタにしてみようか……。早くもそんなことを考えながら店を出た。
(編集部・T)
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