【キシャメシ】新潟市東区「ばるむ食堂」で味わう「至高のカレーラーメン」、丼内のすべてが調和する世界
この際、批判は覚悟で言ってみる。
「カレーラーメン」って正直「言うほどか?」と思っている。あくまで記者の偏見だ。「国民の人気食、カレーとラーメンを合わせてみました」という安易な発想(本来は地場産業と結びついた事情と歴史があるらしい)と、必然性の薄さ(あくまで記者の偏見)。そりゃ味に関しちゃ一定レベルはクリアするだろうさ、カレーとラーメンなんだから。どうせ合わせるならせめて1+1=2を超えてこなきゃね、と冷めた目を向ける記者。もちろん、三条でカレーラーメンを提供する全店を制覇したわけでもないので、もしかしたら記者をうならせる一杯があるのかもしれないのだが、関係者におかれては、バカな記者の戯言と聞き流していただきたい。
しかし一方でこのジャンルを、記者はどうしても捨てきれないでいる。その理由が新潟東区粟山にある「ばるむ食堂」の「カリ~ら~麺」の存在だ。以前からこれをこよなく愛している。
店自体は、ハンバーグやステーキを中心としたいわゆる洋食屋のジャンル。そのメニューの中でひときわ異彩を放つのが「カリ~ら~麺」(税込898円)。座るや否やノータイムでこれをオーダー。ちなみに辛さは3段階で「甘口」「辛口」「大辛口」。今回は真ん中の「辛口」をオーダーしたが、これでも結構な辛さなので、本当に辛いのが苦手な人は「甘口」から入るのがおすすめ。
店内はほぼ満席だったが、待つこと10分程度で着丼。うっひゃー、これこれ、見た目も食欲をそそるでしょ。まずはスープを一口。相変わらず美味すぎる。すりおろした野菜が溶け込んだスープ、18種類のスパイスを調合した複雑な辛み。野菜のうまみが織りなすまろやかで優しいファーストアタックなのに、すぐに追いかけてくるスパイシーな香りと刺激的な辛さ。まさに究極の「味のツンデレ」がそこにある。
具材はにんじん、素揚げしたポテト、ブロッコリー、ゆで卵と洋食屋カレーの王道を行きつつ、ラーメン感バリバリのチャーシュー(豚バラロールタイプ)がニクい。チャーシューはしっかりローストした香ばしさがあり、超絶まろやかなカレースープによく合う。
コシがあって味わい深いちぢれ中太麺は浅草開花楼製を使用。数々の有名店が使用し、日本に「つけ麺文化」を産んだ立役者たる製麺所である。濃厚なカレースープの中にあって、負けていない存在感を示しており、さすがにポテンシャル高し。
スープ、具材、麺、そのすべてに「こうあるべき」という意味と必然性があり、完璧に調和している。カレー+ラーメンではなく、この調和した形でひとつの世界を作り上げているのが良い。
あと、ランチタイムは半ライスを無料でつけられるので忘れずに。デザートに「ミニスープカレー」を味わうためだ。
すべてにこだわりを持って創作したらば、カレーラーメンとて一流の高みに達する。食べ終わったばかりなのに、もう食べたくなっている。中毒性が高いな、ばるむ食堂。
(編集部 I)
【ばるむ食堂】
新潟市東区粟山1丁目22-1ショッパーズエンド内
営業時間 11時30分~14時30分 18時~21時
定休日 水曜
<グーグルマップより>
【前回のキシャメシ】
10月20日 トマト・牡蠣・ハーブのエキスが渾然一体、「地中海風」のスープパスタを味わう(新潟市東区)