コジマタケヒロのアルビ日記2023 Vol.20 星雄次 「のびしろ」

アルビレックス新潟の星雄次選手

10月24日の聖籠で選手のコンバートについて話を聞くと、松橋力蔵監督はこんなふうに話をしてくれた。

「選手のポジションをコンバートしたことは、これまでにもたくさんあります。初めて監督になったときもボランチの選手をセンターバックにしたり、サイドの選手をボランチにしたり、フォワードの選手をサイドにしたり……。トータルというか、選手の特性を考え、将来的なところも見ながら、チームのスタイルも考慮して、選手に提案しています。選手のプレーを見たときに、“こっちのポジションの方が特徴的に合っている”というのが、うっすら見えるんです。例えば、相手がハイプレスでくるときに、ボールを受けにくる選手が多い中、空いたスペースに間髪入れずに駆け上がっていく姿が(長谷川)巧には見えました。ビルドアップの課題は最初の段階であるかもしれないけれど、長いボールをしっかり蹴れるし、そのボールが通るようになると、ゲームがひっくり返る。もし通らなかったとしても高い位置でプレーすることの訓練にもなる。それを繰り返すとボールがどんどん入り出す。そんな絵が(渡邉)泰基には見えました」

「星選手は?」と聞くと
「(星)雄次は、本当にどこでもできると思っています。センターフォワードだってセンターバックだって、キーパー以外ならどこでも。小さいころから知っていますが、どこでもできる双子という印象は僕の中には刷り込まれているかもしれませんね。数少ない本当のユーティリティープレーヤーだと思います」

2022年シーズンのJ2・第16節、町田戦(A/●1-2)でボランチとして初めて試合に臨んだ星選手。その後は、ボランチとして、数多くの試合に出場し、チームの勝利に貢献した。今やサイドを主戦場としていたことを忘れている人も少なくない、チームの中央に欠かせない存在となっている。

「試合の出場数に関しては、全然満足していません。でも、出たときには、いろいろな課題が見えるし、一方でこれはできるという手応えも少しずつですが、あるので、自分自身の成長というのは感じています。チームのスタイルもありますが、しっかりと自分たちがボールを握っている中で、アクセントというか、しっかりとボールを前進させ、いい攻撃につなげられているところには手応えを感じています。〜中略〜ボランチをやるなんて、1、2年前の僕ではイメージできていなかったと思います。やり始めた当初は大変でしたが、今は楽しみながらというか、ポジティブにこのポジションと向き合っています。課題もたくさんあって、できないことが多いからこそ、もっと練習しなきゃと思いますし、だからこそ成長もできると思います」

爽やかな笑顔で話を聞かせてくれた星選手に、個人的に気になっていたことを聞いてみた。

「星選手のゴールが見たいです」
すると少しはにかみながら
「まだ得点がないですが、意識の中でもしっかりと(得点をとるという課題を)持っているので、残り試合は少ないですが、さらに練習の中から積極的にやっていきたいと思います。ボランチというポジションではありますが、しっかりと前に入っていって、得点やアシストに絡むプレーをしたいと思います。それができるようになれば、個人としてもう一個レベルアップできると思うので」

今季の残り試合もあと4試合。
できれば、ホーム戦で自らの得点を笑顔で喜ぶ、星雄次選手が見てみたい。

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