【地球の限界】「Z世代はSDGsを重視」、新潟県妙高市が五十嵐悠介氏を講師にSDGs普及啓発ウェビナーを開催(再掲載)
掲載日 2023年10月27日
最終更新 2023年11月5日
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新潟県妙高市は10月25日、五十嵐悠介氏を講師に「Giveの精神で世界を変える–安全・安心な豊かさを次世代に残すために−」と題して、令和5年度第1回妙高市SDGs普及啓発ウェビナーを妙高市役所本庁舎1階コラボホールとオンライン(ZOOM)で実施した。この日は会場で30人、オンラインで20人が参加した。
講師の五十嵐氏は建設業界の総合商社、東邦産業株式会社(新潟市中央区)の代表取締役社長を務めるほか、SDGs推進コンサルタントとして、年間20件以上の研修講師、講演活動を実施している。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、これは日本語で持続可能な開発目標という言葉を意味する。2015年に国連総会で採択され、企業にとどまらず、国や個人といったそれぞれの主体が取り組むことを期待されている。
まず、五十嵐氏は、世界がSDGsに取り組まなければならない理由として、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)を挙げた。
五十嵐氏は「産業革命以降、人口は6.7倍の82億人になった。それは当然ながら、資源はなくなるだろうし、二酸化炭素素も増えるだろう。資源の奪い合いであり、資本主義のバージョン2が必要で、社会を変えていくのがSDGsだ。考え方をスイッチしていく必要があり、環境と重ねていかないと、経済ができなくなってきている」と語った。
また、「大量生産・大量消費をして、コンビニ、お弁当が当たり前にある現代で、フードロスが年間630万トンある。これは東京都民が毎日1個おにぎりを捨てているのと同じ量だ。一方で、フードバンクが鰻のぼりで増えている」とも話した。
さらに、ESG投資についても言及した。ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)に対する企業の取り組みを評価基準として投資先を選ぶ投資方法のことで、環境や人権に配慮している会社にはお金や人材が集まるようになってきている。これに伴い、日本では上場企業、金融機関、自治体が取り組みを始めている。
これに関連するのが、いわゆるZ世代の動向だ。Z世代の定義はとくに決められてはいないが、1990年代後半から2010年生まれの人たちで、 2023年現在では、10代から20代前半、学生から社会人になって数年経つ人が該当する。
五十嵐氏は「日経ビジネスの調査によると、Z世代は就職したい企業として、2位の給与待遇よりも上に、1位に社会貢献の高い企業を挙げている。ESGやSDGsの取り組みが進んでいるマクドナルドやスターバックスの人気が高い。なぜこうなるかというと、彼らは義務教育で、音楽を除くほぼ全教科でSDGsを学んでいるからだ」と述べた。
最後に、五十嵐氏は「ESGやSDGsに取り組んでいる企業には、若い人が入ってきて潰れない。魅力があるから、辞める人もいないし、人が集まってくる」と締め括った。
(文・撮影 梅川康輝)
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