【新潟県内外176の企業・団体が参加】見本市「燕三条ものづくりメッセ」、今回は「工場の祭典」と同時開催で相乗効果狙う(再掲載)

ものづくりメッセ 入り口

掲載日 2023年10月27日
最終更新 2023年11月5日

直近の人気記事を日曜日に再掲載いたします。(編集部)

日本海側最大級の工業系見本市「燕三条ものづくりメッセ」が2023年も燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市)で始まった。会期は10月26日と27日。10回目を数える今年は176の企業・団体が参加する。また、初の試みとして「燕三条 工場の祭典」(会期:26日から29日)と同時開催。二つの大イベントによる相乗効果を狙う。

「燕三条ものづくりメッセ」は、金属加工業の集積地である新潟県燕三条地域の製品と技術が一同に介するほか、全国各地からもものづくり企業が出店する見本市。COVID-19感染症禍を経て、QRコード発行による非接触入場やオンライン商談などの導入が進んだが、今回からさらに、公式サイトにAIマッチング機能を追加。GPT-4を組み込んだ検索システムにより、出展者と来場者のマッチングを手助けする。

また、今回の特徴的な試みとして工場の祭典と会期を重ねたことも挙げられる。工場の祭典の運営に関わる齋藤和也氏は「ものづくりメッセは企業・BtoB向け。工場の祭典はBtoC向けが多いので、(工場の祭典を)見たことのない人も来てくれる。また、メッセでは展示しているだけだが、(工場の祭典に参加して)工場の雰囲気なども知ることで成約率も変わってくると思う」と期待を込める。

齋藤和也氏

武田金型製作所のブース 写真右は、二つの金属がピッタリと合わさりまるで文字が消えたり浮き出たりするように見える同社の「マジックメタル」

プレス金型の株式会社武田金型製作所(新潟県燕市)のブースで社員に話を聞いてみると「ブースに来た人も『(工場の祭典を)やっているなら行ってみようかな』と話していた。良い相乗効果があると思う」という。

ただ一方で、出展企業からは「展示会と工場で同時に人員がとられる点が大変だ」という声もあった。来年以降も同時開催となるならば、改善の余地もありそうだ。

工業系の見本市は、商品だけでなく自社の技術力を示す機会でもある。業務用厨房機材や生活雑貨などを手掛ける株式会社シンドー(新潟県燕市)は、材料から出荷までの一貫体制が強み。同社のブースでは、金属加工の技術を用いた盆栽様のオブジェや、コントラバスのようなオブジェなどを展示していた。

近年はアウトドアブームから、金属加工の技術を用いてキャンプギアの生産に乗り出す企業も増加した。工具メーカーの小林工具製作所(新潟県三条市)のブースでも、新たに立ち上げたアウトドアブランドの商品を展示しており、中には現在開発中のグッズもあった。同社によると、キャンプギアはクラウドファンディングサイトなどで人気で、今後もさらに展開を進めていくという。

シンドーのブースに展示されていたコントラバスの形のオブジェ

小林工具製作所が現在開発中のアウトドア商品、柄と頭(現在は斧)が分離する構造だという

企業以外にも、学術機関や自治体の事業などの展示が並ぶ。

開志専門職大学のブースでは、株式会社マグネット(新潟県燕市)と共同で行っている、ものづくりに関する「言葉」の研究を紹介。統一されていない、体系化されていないものづくり関連の言語や、言語化されていない技術などを分析・データ化し、情報発信や商談などに活用することを目指す。また、ものづくりメッセでは学生たちも同取り組みの周知のため、各社のブースを回っていた。

ものづくりメッセは27日16時まで。バイヤー以外に一般の入場も可能だが、事前登録制となっている。なお、工場の祭典の開催は29日まで。

開志専門職大学の田代秀一教授(写真左)とマグネットの鴨井駿亮氏(写真右)

会場内の様子

県内外から多くのバイヤーが訪れる

 

【関連リンク】
ものづくりメッセ webサイト

工場の祭典 webサイト

 

(文・撮影 鈴木琢真)

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