【キシャメシ】10月30日、新潟市東区みんなの社員食堂「Bond…」、スタイリッシュ空間で味わうおふくろの味
10月27日~28日の2日間、新潟市東区の津島屋周辺では工場見学イベント「東区オープンファクトリー」が開催された。燕三条「工場の祭典」の向こうを張る企画は今年が初開催。近年は工場夜景ツアーなどで産業観光を推していた東区だったが、古くから木工を中心に工場地帯となっていた別エリアからの発信で、新たなシーズとなることも期待される。
そんな東区オープンファクトリーで、実は「キシャメシ」の種も見つけてきた。それが本日紹介する「Bond…」である。
吉川鉄工所の建物に隣接する「Bond…」は、鉄工所直営社員食堂という名目になっているが、一般でも自由に利用できるので、言ってみれば「東区の社員食堂」(もちろん東区民以外も利用できる)といったところか。2022年6月にオープンしたばかり。このあたりは工場に従事している人口も相当なものだろうが、ご飯を食べる場所がない。重宝されるだろうな、ここ。
写真でもわかるとおり、ソリッドなデザインの店づくりはとにかくイカしている。何というか「鉄工所のカッコよさ」が細部に表現されているのだ。店に入るとそれはさらに強調される。高い天井と梁、コンクリート打ちっぱなし風の壁面、合板の上に銅板を張ったクールなデザインのテーブル、スパナをそのまま使用した引き戸の取っ手・・・町工場の一角にこんな空間がある意外性、これがまず一つ目のギャップ。
メニューは基本的に3種類。Bond…カレー(税込500円)、Today`s丼ぶり(税込700円)、Today`s定食(税込800円)。今日び、外で食べるランチはかなり高騰したが、実に良心的な価格。入り口に下がっている木札を取って注文するシステム(木札がなくなったら終了)。記者がオーダーしたのはToday`s丼ぶり「きのこバター牛丼」。
平日の月曜日にもかかわらず店内は多くの利用者でにぎわっておりほぼ満席状態。オープンして1年半だが「東区の社食」として定着しているようだ。
ややあって着丼(番号を呼ばれて取りに行くカフェテリア方式)。器もカトラリーも、いかにも鉄工所らしく金属製。スプーンの柄にはスパナがついていて、こういう細かい演出がいちいちシャレオツだ。
きのこバター牛丼、味の方はといえば…そりゃウマいさ!牛丼の上からキノコのバター炒めがドサっとかかっているのだよ、これでご飯が進まないわけがない。ご飯の盛りもかなりだ。さすが工場で働く職人仕様のガツン系。小鉢のひじきと豆の炒め煮も労働者の健康をいたわってのものか、量は多いが全体的にバランスが良い。味噌汁もほっこりする。洗練されたオシャレ空間でいただく「THEおふくろの味」。これが第2のギャップ。
胃袋も心も大満足、また来よう。燕三条といい東区といい、ものづくりの現場がどんどん面白くなっていく。
(編集部I)
【Bond…】
新潟市東区津島屋6丁目109-1
営業時間 11時半~14時 土、日定休日
<グーグルマップより>
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【前回のキシャメシ】
焼き魚も、しっかり火が通っていて、うまい! 隠れ家的名店、旬菜食 和菜和菜(新潟県長岡市)