【ボージョレよりいち早く】ホテルイタリア軒でイタリアの新酒「ヴィーノ・ノヴェッロ」を味わう夕べ(再掲載)
掲載日 2023年11月1日
最終更新 2023年11月5日
直近の人気記事を日曜日に再掲載いたします。(編集部)
新潟市中央区のホテルイタリア軒で10月31日「『VINO NOVELLO』イタリアの新酒を味わう賞味会」が開かれた。
その年に仕込まれたワインの新酒といえば、日本ではボージョレ・ヌーヴォの知名度が浸透しているが、実は(日本に居る状態で)一番最初に飲める新酒は「ヴィーノ・ノヴェッロ」。ボージョレの解禁日が11月第3週の木曜日なのに対しノヴェッロは10月30日となっている。
「ワインには船旅をさせよ」という格言にもあるように、一般的には熟成の進んだワインの方が良しとされているが、航空便が普及した現代では、若々しくフレッシュな新酒をお祭り気分で解禁日に楽しむスタイルも定着した。
フランスのボージョレ・ヌーヴォは、ボージョレ地区で栽培されるガメイというブドウ品種で作られるワインに限定されるが、ノヴェッロはイタリアのほぼ全土で出荷されブドウ品種も多種多様なので、飲み比べなどで縛りのない自由な楽しみ方ができる。ただし日本に入ってくる量が限られているので、新潟だと入手困難。希少だがホテルイタリア軒地階のワインショップ「felion」で取り扱いがある。
この日セレクトされたノヴェッロは、コンティ・ゼッカ(プーリア)、ヴェレノージ(マルケ)、ファンティーニ(アブルッツォ)とイタリア中南部の生産ワイン3種。いずれも若々しいフレッシュな味わいながらも果実味の凝縮と華やかなアロマが感じられ、ボージョレヌーヴォとは一味違った楽しみがあった。
またこの日、関本拓夫総料理長が設えたのは、いずれもノヴェッロの若々しい味わいを意識した料理の数々。本場イタリアでは「焼き栗でノヴェッロを味わう」という風習があり、この日用意されたのは五泉市村松の焼き栗だが、素朴でほっこりした旨みがフレッシュな果実味とよく合っていたのが印象的。この日集ったワインラヴアーズも満足げだった。
(文・撮影 伊藤直樹)