コジマタケヒロのアルビ日記2023 Vol.21 高木善朗 「復帰の先」
「練習から(フリーキックの)精度が高いので、(試合でも)あるなって常に思っています。その精度の高さがああいう得点になりました」(松橋力蔵監督)。
アウェイでの京都戦(○1-0)。フリーキックを得た新潟。キッカーは高木善朗選手。34分、右足から放たれたボールは、ピンポイントで渡邉泰基選手の左足へ。キレイに合わされたボールは、吸い込まれるかのように京都ゴールへ。この得点を守り切った新潟はリーグ戦6戦負けなしとその記録を伸ばした。
「感触はかなり良かったです。少しスピードが早かったかなとも思ったんですけれど、いいところに落とせたし、(渡邉泰基が)いい感じで入ってきてくれてよかったです」(高木善朗)。
大けがから復帰するも、6月26日に左大腿二頭筋損傷と診断され、再び戦線を離脱。戻ってきた8月12日のホーム・湘南戦(△2-2)では途中出場にも関わらず、2得点を挙げ、引き分けという結果をチームにもたらした。
「復活という言葉はまだ合っていないかなと思っています、復帰はしたけれど。彼の本来の力というものは、僕はもっと上がると思っています。大きなけがを乗り越えて、コンディションも徐々に上がってきて、その中で違うけがをしてしまったので、そういったところに多くの時間を割いてしまって、(今季)J1のピッチに立つ回数としては少なくなってしまった。ただ彼は若いときにオランダのピッチも経験しています。(試合出場という)その場を与えることによって、(選手としての)経験が多ければ多いほど、もっといいプレーができるようになると思います。そこに行って初めて、彼の復活ということになるのかなと感じています」(松橋監督)。
新潟は、現在6戦負けなしという好調をキープしている。出場選手全員がそれぞれの仕事を果たし、いい循環が生まれている。
「僕が試合に出てからちょっとずつ勝ち出しているところはありますが、僕だけの力ではないですし、みんなでやっているという認識なので。逆に僕が入ってみんなでやっているという認識にできたかなというのもあります。みんなをつなぐ役割はできていると思います。前半戦と明らかに違って、守り切れるところや1対0での勝利、いろいろな勝ち方ができている結果を見ると、チームとして成長できているのだと思います。(〜中略〜)(渡邉)泰基や(長谷川)巧のように、ポジションを変えて試合に出ている選手たちがチームに活力を与えると同時に、選手層に厚みを増す結果になった。それがもとに新しい競争も生まれ、プレーの強度や集中力が上がっている。そういう選手たちの存在がチームに大きな成長の幅を与えてくれたのかなと思います。(〜中略〜)10位以内、ひと桁順位を目指すことも大事です。それにシーズンの終わり方が来シーズンの開幕につながると思うので、来シーズンを見据えた戦い方をしっかりとして、J1で相手の脅威になってくる存在として見られていくような、いい終わり方をしていきたいと思います」(高木善朗)。