【村上新聞】御用日記から185年前のおもてなし料理を再現 料亭「能登新」で当時の煮魚や大海など
瀬波北前船研究会(小嶋三郎会長)は10月31日、村上市飯野にある料亭 能登新で参加20人による「江戸時代の料理を再現し試食する会」を開いた。
北前船の寄港地であった瀬波地域に残されている「御用日記」には、気比神社や八坂神社の例大祭に村上藩士が招かれる習わしがあったことが記されており。警備を兼ねる神事の後の直会には荒町(安良町)の能登屋新助(能登新)に料理を誂えて振る舞ったことと、品書きも残されている。
今回は、1838(天保9)年8月4日、(旧暦の瀬波大祭)の日、町奉行所から出向いてきた御頭の水野逸平ほか6人を招待。年行事所で祭り屋台を見届けた後、夕食として振舞われた。料理は、その品書きをもとに能登新11代の山貝誠料理長に再現してもらったもの。詳細な料理方法が書かれてはいないので、料理名や材料名を頼りに作ってもらったという。
山貝料理長は「当時は夏の盛りなので濃い味付けだったかもしれないが今回は塩味や醤油を抑え薄味にした。こうして185年前に思いを馳せることは、地域の歴史や食文化を守る上で大切なことだと思う」と話していた。
小嶋会長は「料理を再現していただいた山貝料理長に感謝するとともに、今後も『御用日記』をさらにひも解き瀬波町、北前船について掘り下げていきたい」と話していた。
【村上新聞】