リンコーコーポレーションが2021年3月期決算発表、減収減益の最終赤字に
株式会社リンコーコーポレーション(新潟市中央区)は14日、2021年3月期の決算を発表した。
売上高は、141億9,600万円(前年度比15.5%減)、営業損失5億2,500万円(前年度は4億9,700万円の営業利益)、経常損失3億800万円(前年度は5億2,100万円の経常利益)となった。また、特別損失としてホテル事業部門等の固定資産の減損損失8億9,200万円を計上したことに加え、繰延税金資産の取崩しの影響により法人税等調整額2億9,000万円を計上した結果、当期純損失は15億6,500万円(前年度は9,900万円の当期純利益)となった。年間配当は無配(前年度は30円)とした。
主要な事業拠点である新潟港の貨物取扱量は前年度比で減少し、運輸部門の貨物取扱量も同様に前年度比で減少。また、ホテル事業部門では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、厳しい状況で推移した。
運輸部門
運輸部門と運輸系子会社4社を合わせた同部門の船内取扱数量は、コンテナ貨物、一般貨物共に減少し、合計で前年度比17.5%減の516万6,000トンとなった。コンテナ貨物については、新型コロナウイルス禍での巣ごもり消費の影響もあり、日用雑貨品などの一部の輸入貨物の取扱は堅調だったものの、アジア向けを中心とした輸出貨物の荷動きの回復は鈍く、前連結会計年度比で11.5%減少した。また、一般貨物についても、主要貨物である素材原料の取扱が低調に推移し、前年度比で26.4%減少した。
この結果、同部門の売上高は96億5,700万円(前連結会計年度比6.8%減)となり、経費面では下払輸送費や燃料費等の変動費は減少したものの、労務コストや減価償却費等の固定費が負担となり、セグメント損失は1億9,700万円(前年度は1億2,600万円の利益)となった。
不動産部門
不動産賃貸では新規賃貸物件の取得により増収となったものの、不動産商品の販売において減収となり、同部門の売上高は3億1,500万円(前年度比8.2%減)、セグメント利益は1億9,400万円(前年度比1.2%減)となった。
機械販売部門
建設機械販売は堅調に推移したが、部品販売が低調に推移した結果、同部門の売上高は12億3,300万円(前年度比5.7%減)、セグメント利益は300万円(前年度は1,300万円の損失)となった。
ホテル事業部門
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、個人顧客の不要不急の外出自粛や法人顧客の宴会を控える状況が続く中、テイクアウトやデリバリーサービスなど外販に注力したが、業績を大きく改善するまでには至らず、政府によるGoToキャンペーンの効果も感染再拡大により一時的なものとなり、非常に厳しい状況が続いた。
この結果、ホテル2社を合わせた同部門の売上高は13億1,400万円(前年度比54.7%減)、セグメント損失は5億8,100万円(前年度は1億2,800万円の利益)となった。
商品販売部門
住宅資材に係る取引が前連結会計年度に比べて減少したことなどから、同部門の売上高は15億円(前年
度比15.2%減)、セグメント利益は2,300万円(前年度比41.0%減)となった。
その他
保険代理店業、産業廃棄物の処理業を合わせたその他の売上高は、2億9,000万円(前年度比6.9%の増
収)、セグメント利益は3,100万円(前年度比57.3%の増益)となった。
今後の見通し
2021年度も各事業において新型コロナウイルス感染症が引き続き影響すると見込んでおり、次期の連結業績予想を合理的に見積もることが困難であると判断し、未定とした。なお、業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表する予定だ。配当についても未定とした。