【電柱写真を撮り尽くせ】東北電力ネットワークが市民参加型イベント「電柱聖戦」開催、新潟2kmで<再掲載>
1基撮影につき20円分ポイントバック、当たり電柱もあり!
東北電力ネットワーク株式会社(宮城県)は、新潟市内の通称「新潟2kmエリア」で11月11日(電柱の日)から14日までの4日間にわたって、市民参加型のイベント「電柱聖戦」を開催する。
「電柱聖戦」はシンガポールを拠点にするWHOLE EARTH FOUNDATION社が開発した「TEKKON」というゲームアプリを活用し、エリアに点在する指定電柱の写真をできるだけ多く撮影するというイベント。参加費は無料で、スマホさえあれば誰でも参加できる。
参加希望者は、アプリを立ち上げて、マップに表示されるグレーのポイントを狙って出動。狙った電柱を見つけたら、「電柱全体の写真」「根本の写真」「番号の写真」「反対側から全体の写真」の4点をスマホで撮影して投稿するとポイント獲得。ポイントは即日LINE Payに変換できる(1基撮影につき20円分のポイントバック)。撮影が完了した電柱は、アプリ内マップでグレーから緑に変わり、その後は撮影してもポイントが入らないので、要するに早い者勝ちだ。
さらに注目は、「新潟2km」にある指定の電柱4000基の中に100基だけ「当たり電柱」が隠されており、これを投稿してると1000円分のAmazonギフト券がもらえる。なるべく多くの電柱写真を投稿した方が当選への近道になるのは言うまでもない。
誰でも参加できるうえに、頑張りようによってはお小遣い稼ぎにもなり、ゲームの属性から「街歩き」も満喫できるというお得なイベントだと言える。
詳細は記事末の関連リンクで要確認。
ゲーム感覚でインフラ保全に貢献
ゲームアプリ「TEKKON」は電柱やマンホールなど社会インフラの保守点検を、ゲーム感覚で市民に代行してもらおうという目的で開発され、世界中で実績を挙げている。
ゲームを通じてインフラの写真データを収集できることで修繕を要する場所が特定でき、従来の巡視点検業務に割かれていたリソース節約につながる
「通常は社員が複数体制で市中を歩いて巡視し、双眼鏡による目視で電柱の異常を点検している。社員一人(一組)がこなす点検の量はせいぜいで日に100本といったところで、今後は人口減少などでこうした担い手の確保もままならなくなる可能性もあり、あらゆる角度から省人化、DX推進を考えていかなければならない」(東北電力ネットワーク配電部・高橋良太主任)。
インフラの老朽化、そのメンテナンスに向けられるリソース不足は深刻な社会課題である。
現在、東北電力管内には約370万基の電柱があり、そのうち新潟県内には64万基。このおびただしい数の電柱を保守点検していかなければ停電や、さらに大きな事故にもつながりかねない。その意味で市民が社会インフラを守る担い手となるのはある意味理想の形といえる。WHOLE EARTH FOUNDATIONの福田恭子さんは「参加者の多くは、最初から『社会インフラを自らの手で守ろう』という意識で参加するわけではなく、ゲームで遊んでいるうちにインフラに対する関心が高まって、この社会課題に気づきが生まれる」と話す。
日本国内でTEKKONを使用したインフラ点検イベントが試みられたのは、今回で3例目。「電柱聖戦」は今年4月の宮城県仙台市を皮切りに、管内各都市で10回開催されてきた。これまでほとんどがノルマコンプリート(1,000~2,000基)されており、投稿写真の中から停電の原因となる鳥の営巣やつる草などが発見されるなど成果が挙がっているという。
新潟ステージの設定は、これまでで最大の4,000基。果たしてコンプリートとなるか。
東北電力ネットワークによる「電柱聖戦」は、12~2月に南魚沼郡湯沢町で開催される第12回で、今期のしめくくりとなる。
2023年11月10日掲載
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