【人材育成】「地元企業のサポートをすることで、地域の活性化に貢献したい」 株式会社エム・エスオフィス(新潟県長岡市)

新潟県長岡市坂之上町にある株式会社エム・エスオフィスは、企業のマネジメントシステムのコンサルタント会社として1992年創業した。ISO認証取得支援事業などを中心に、各種セミナーや人材育成など、県内企業の支援事業を中心に、順調に業績を伸ばしてきた。

2022年に創立30周年を迎えた。「エム・エス」とは、「ネジメント タッフ」の頭文字二字を、それぞれとったものである。

創業時に笠原廣現会長が「マネジメントスタッフ事務所」として経営していたものを、法人化にあたり、社名を改めた。

長岡のまちなかにある本社オフィス

ISOとは、1987年に制定された品質管理システムの国際規約のことで、各会社が製造する製品やサービスの品質を保証するため、目標管理、受注、設計開発、購買、製造、検査などの段階(プロセス)で、どのような管理システムが要求されるかを全世界共通の規定にしたものである。

90年代から2000年代初頭にかけて、欧州市場の製品輸出にはこの規格認証が取引の条件となっているケースが急増したため、国内企業でも、需要に合わせて取得する企業が増加した。

当初は、ISO認証取得自体が日本では珍しく、認証取得までの活動も煩雑だったため、その支援事業を行うことで同社も発展、顧問先企業に寄り添った親切丁寧なサポートによって、多くの企業の信頼を得、認証取得後も引き続き、サポートを受けたいという多くの企業から顧問契約を締結してきたという。

こういった専門用語を用いた内容を、わかりやすく相手に説明するためには、わかりやすい教育ツールが必須である。そこで同社では、ISO9001規格をゲーム形式で楽しみながら学べるようにと、『ISO GAME』も開発したこともある。

このように、その都度、時代ごとに経営者が必要としている支援を行い、「管理者研修」「ハラスメント防止研修」やSDGsに関する研修やセミナーなども行ってきた。こうした同社の努力によって、創立20周年には、顧問契約を結んでいる企業先から、手書きの感謝状が贈られたこともある。

「マネジメントシステムの構築と人材育成は、マネジメントの両輪である」との同社の方針から、現在、同社ではISO認証取得支援のみならず、「マネジメントシステムの教育」を主軸とした人材育成に力を入れている。近年では、キャリアコンサルティングの国家資格も取得し、自治体と連携した再就職支援事業なども請け負っている。

従来のB to Bの契約以外にも求職者などを対象とした研修などの需要にこたえていくことによって、最近では、働き方改革、女性活躍などを意識した自治体などからの研修の依頼も増えているという。

「年々、社員教育に力を入れる企業が増えてきた」と語るのは、長年、企業のセミナーや人材育成に携わってきた若月一浩代表取締役社長(59歳)である。

かつては、企業支援といえば、製造業や建設業の支援が多かった。一方で、最近ではIT系や介護系会社などといった多種多様な会社の支援が多くなり、支援のあり方にも多様性が出ているという。以前は自身も製造業の会社に所属し、コンサルタントと受ける側だったという若月社長は、30代後半に突然想いたち、今の会社に移籍し、コンサルタントをする側になったという。

「これまで終身雇用が主だった時代とは違い、企業側が一方的に価値観を押し付けるような採用、育成の仕方では、社員が定着することが難しくなってきた」と語る。

また近年では、ウィルス禍の影響もあり、オンライン研修を求める中小企業も増えてきた。「企業側も多様な人材を採用していかなければ、生き残っていけない時代になった」と若月社長は指摘する。

「これからも企業の悩みごとを聞いて解決していきたい。地元企業を元気にすることが、地域の活性化につながる。各事業を通しサポートを行い、地元企業の役に立ちたい」と力強く語った。

「地元企業を元気にすることで、地域を活性化させたい」と語る若月社長

 

(記事・撮影 湯本泰隆)

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