【書店員が選ぶ】今月のおすすめ本(2023年11月 )—— 提供・ジュンク堂書店新潟店
ジュンク堂書店新潟店(新潟市中央区)の書店員が選ぶ「今月のおすすめ本」。書店員の眼鏡に映った「今読んで欲しい本」を、書店員の生の声でお届けします。
今月はジュンク堂書店新潟店 副店長の雑賀太郎さんからのおすすめ本を3冊ご紹介します。
続窓ぎわのトットちゃん(講談社)黒柳徹子 税込1,650円
「窓ぎわのトットちゃん」が1981年に生まれてから42年。トットちゃん御本人もまさか続編を書こうとは思ってもいなかった様子。
あれから少し成長した少女から大人の女性になってゆくトットちゃん。でも流石、そこはやっぱりトットちゃん。私達の期待を裏切りません!?
徹子さんがある番組でおっしゃってました。「常に正直であること」きっと人に対しても、そして何より自分に対しても。簡単そうで難しい。
時に誤解を招いたりトラブルになったとしてもそれでも、そうあろうとする姿はとても美しいと思えるのです。
青い壺(文春文庫)有吉佐和子 税込781円
初出版は文藝春秋の連載から始まり、文庫化されたのが昭和55年。ところで今年は昭和で言うと何年か皆さんご存知であろうか?
答えは98年。この文庫今年の7月で16刷。43年もの長い間店頭から消えないロングセラーである。
タイトルに有る青い壺が色々な人生を映し出しながら次々と色々な人々に渡っていく物語が短編として紡がれてゆく。有吉佐和子が伝えたかった本当の美とは。
ぜひ読んで確かめて下さい。なぜ売れているのかもわかるはず。
汝、星のごとく(講談社)凪良ゆう 税込1,760円
2年振りに描いた長編小説がまたしても本屋大賞受賞。前回受賞した「流浪の月」は映画化されたヒット作でもある。
今回の物語は閉ざされた島で出会う高校生達の恋から始まる。もう既に映像化を期待してしまうのは私だけではないだろう。自分に取って何がそして誰が一番大切なのかを改めて考えさせてくれる小説である。
42年ぶりの続編も43年売れ続けるロングセラーも、2年ぶり描いた小説が大賞取るのも、時代は違えど素晴らしい女流作家の作品を秋の夜長に堪能してみてはいかがでしょうか。