【古墳時代の重要拠点か】新潟県燕市が「石港遺跡」の発掘現場と出土品を公開、子持勾玉や大型竪穴建物の遺構も発見

遺跡の現地説明会には、多くの人が参加した

新潟県燕市は11月11日、現在同市教育委員会が調査を実施している古墳時代の「石港遺跡」の現地説明会を開催した。

「石港遺跡」は、燕市渡部にある古墳時代の遺跡で、現在の大河津分水路右岸側に位置する。遺跡の存在自体は大河津分水路がつくられと当時から知られていたものの、その範囲や詳細な性格などについては不明なところも多かった。

今回の調査は、大河津分水路の改修事業に伴い2022年度から開始。これにより、当初の予想を超える多くの遺物や遺構が発見された。

発掘された須恵器

昨年発見された「子持勾玉」 県内では数点しか発掘されていない「子持勾玉」だが、石港遺跡では2点見つかっている

燕市の担当者によると、今回新たに、古墳時代前期につくられたものと思われる区画の跡が見つかり、「地域の有力者である「首長」が関与した政治の場や交易の拠点など重要な場所であった可能性が考えれる」という。

また、古墳時代後期のものとしては、当時の最新技術であり近隣では制作されていなかったはずの須恵器が数多く見つかった。加えて、当時のものとしては大型である竪穴建物や壁立式建物の遺構も発見されたことから、前期から引き続き、地域にとって重要な拠点であったことも分かる。

11日の朝には、発掘の様子を見ようと多くの市民が参加。発掘現場と集合場所を繋ぐバスが絶え間なく行き来していた。

今後、発掘された遺物などについては、市が毎年年度末に開催している「遺跡出土品展」でも展示される予定。なお、調査は来年度も継続予定で、同様の説明会も再度行われる可能性があるという。

石港遺跡で見つかった遺構

説明会の様子

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