【小さな夢の積み重ね】新潟県立海洋高校(新潟県糸魚川市)でジープ島開島者の吉田宏司さん(上越市出身)が講演
新潟県立海洋高校(新潟県糸魚川市)はこのほど、上越市出身でジープ島開島者の吉田宏司さん(67歳)を講師に招き、講演会を開いた。「人間と自然との調和」と題して、第4回マイスター・ハイスクール進路講和を全校生徒約230人を対象に実施した。
吉田さんは、40歳の時に東京時代の財産を全て引き払い、単身赤道直下の無人島であるジープ島へ入島した。「子供の頃からテレビ番組の『ターザン』や『兼高かおる世界の旅』をみた影響で、雪に埋もれる豪雪地帯の高田から抜け出して、南の島に行きたいという願望があった。大好きな自然を知るには自然に入るしかないと考えた。石の上にも3年というが、3年は住むという覚悟で入った」と当時を振り返る。
ジープ島はミクロネシア連邦の中でも小さい島。直径は34mほどで、外周は歩いて3分ほどだ。島には15本のヤシの木と2棟のコテージがあるだけだが、周囲をサンゴ礁に囲まれた非日常的な空間が広がっている。吉田さんは結局3年半島に住んだが、その間に1頭のイルカと出会った。現在はイルカと遊べるほか、今や予約が取れない島になっている。
さらに、吉田さんは「喜びには2種類あり、自己の喜びと、他者からの喜びとがある。物欲や食欲などの自己の喜びは、それが満たされれば一瞬で終わってしまうが、もう一方の喜びは何千回とよみがえり、自己の存在証明となる」と語った。
最後に吉田さんは、「人間は何を求めて生きるのか。それは喜びだ。では、人生を喜びを持って有意義に生きるにはどうしたら良いのか。それは夢の実現だ。具体的には、小さな夢の積み重ねと言うことになる。常にどんな小さな事でもいいから、夢を抱くという遊び心が大切になる。何故なら、夢を持つ事は人を生かすからだ」と説いた。
(文・撮影 梅川康輝)