【村上新聞】曹洞宗 大葉山 普済寺(村上市大場沢) 3尊像修復100年の時を超え 開祖500年事業の一環、作者は仏師、中野甚吉
村上市大場沢にある曹洞宗 大葉山 普済寺(角一覚隆住職)が、2026(令和8)年の開祖500年の大遠忌にちなんで34世晋山式を計画しており、事業の一環として、同寺に祀ってある開山像・耕雲寺8世「固剛宗厳和尚」と両祖像「道元禅師」「瑩山禅師」の3体の像の修復を行うことを決めこのほど、事業の説明会を行った。設置から約100年。初めての修復事業となる。
普済寺は戦国武将、鮎川清長の菩提寺であり、鮎川氏が居城とした新潟県指定有形文化財で大葉澤城跡の麓にある。創建は1527(大永7)年。本堂には村上市出身の絵師であり、村上堆朱の発展に寄与した、有磯周斎の作とされる合計12枚の天井絵図がある。
修復を行う開山像は1911(明治44)年、両祖像は1924(大正13)年設置。(像自体の高さは約30センチ)作者名はいずれも「村上の仏師 中野甚吉」の記載がある。中野甚吉は、当時の博覧会の工芸部門受賞において名工山脇三作、板垣伊兵らとともに名を連ねている。
3体の像の修復を行うのは同寺の角一大樹副住職がこの事業に当たって知り合った彫刻家で仏像制作、修復を行う中村彫刻(横浜市)の代表中村恒克さん。中村さんは、東京芸術大学大学院文化財保存学博士課程を修了し、創作活動、仏像修復などに広く活躍している。