【多国籍化社会への適応】新潟県警が新潟国際情報大学で通訳体験セミナーを開催
新潟県警察本部は11月27日、新潟国際情報大学みずき野キャンパスにおいて、大学生を対象とした「国際教養セミナー」を開催した。
このセミナーは、司法通訳の体験を通して国際理解を深め、学生たちの将来の進路選択の幅を広げることを目的として開催された。また、セミナー内では、新潟県警察指定通訳員による通訳実演や学生参加型の通訳体験などが行われた。
警察では、日本語を理解できない外国人からの110番通報を受理したり、取調べを行ったりすることがある。通訳人には、民間から登用する「部外通訳人」(各都道府県警察から委託を受けて通訳に従事する民間の通訳人)と「部内通訳人」(各都道府県警察から、その語学能力を見込まれ通訳人として指定・登録を受けている警察職員 )という区分けがある。
現在、新潟県警の「部内通訳員」は「指定通訳員」とも呼ばれ、11言語、46人の指定通訳員が指定されている。
指定通訳員などによる通訳活動の実演では、実際に現場で実施される取調べなどを模して行われ、学生たちは普段耳慣れない言葉を交えて実演される様子を真剣な顔で見入っていた。実演で使用された言語は、英語、中国語、韓国語の3つのパターン。
その後、学生たちは英語、中国語、韓国語、ロシア語の班に分かれ、通訳体験を行った。
学生たちによる通訳体験では、用意されたケースに沿い進行され、DVやストーカー、窃盗などの事情聴取を体験した。
参加した学生にセミナーの感想を問うと、「犯人などの警察用語は普段使わないので難しく感じた。通訳系もいいなと思っていたので、今まで知らなかった警察という職場に興味を持ちました」と話した。
中国語の通訳体験を行った学生は、「普段、授業で聞く中国語は私たちのレベルに合わせてくれているので、本当に実践で使っている中国語は、早くて難しいと感じた」と語った。
また、英語の通訳体験を経験した学生は、「英語で聞くとすごく本格的で、自分も使えたら世界が広がりそうだなと感じた」と笑顔で話した。
新潟県警察本部警務部教養課の阿部清治管理官は、「県内の警察に関連する部分での国際化の状況を(学生に)新潟国際情報大学の皆さんに知ってもらいたいと思って開催させてもらった」と語った。
開催したセミナーについては、「非常に真剣に取り組んで頂いて、開催して良かったと感じている」と所感を述べた。
早いペースで国際化が進む情報化社会の中で、犯罪も多国籍化が進んでいる。こうした取り組みが若い世代に浸透することで、学生たちグローバルな視野拡大に繋がり、やがて多国籍化が進む日本社会にとっての大きな財産になるだろう。
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