【インフルエンザ】新潟県内すでに例年冬並みの患者数、新発田など「警報」基準の自治体も…「発熱あったら外出控えて」
新潟県は11月の始め、インフルエンザ患者数の増加に伴い「注意報」を発令したが、11月末現在、県内ではさらに上の「警報」基準に達する患者数を確認する地域も出始めている。例年であれば年末から年明け頃と同等の感染拡大状況。県や自治体では警戒を強め、感染予防を呼びかける。
県福祉保健部感染症対策・薬務課が毎週公開している速報によると、11月13日から19日までの県内におけるインフルエンザの定点あたりの患者報告数は19.78(実数は1701件)で、先週の13.55から急増した。国の示す「注意報」基準は「定点あたり10」であるが、県では11月初めにこの数字を上回り「注意報」を発令。以降、感染の拡大が続いている。
県内各地域に目を向けると、新津、魚沼、十日町、糸魚川保健所管内を除く9地域で「注意報」基準の患者数を超えている。最も人口の多い新潟保健所管内は定点あたり18.96とほぼ全県水準だが、新発田保健所管内が同38.14、村上保健所管内が同33.00、佐渡保健所管内が81.67と、「警報」基準である30を超える状況となっている。
例年(COVID-19の拡大以前)であれば、「注意報」は12月末頃に発令されるため、現状ですでにそれと同等の流行状況であるといえる。なお、「警報」の発令は例年であれば年明け頃。現状は集団感染などによって一時的に増加した面もあるだろうが、それでも警戒は必要だ。なお、COVID-19の報告数は減少傾向にあるが、同時感染・同時流行となった場合の危険性は高い。こちらの動向にも注視していきたい。
県福祉保健部感染症対策・薬務課によると、感染の多くは大人数で集まる機会が多い小中学生で、学級閉鎖も続出。また、家庭を介してその親世代にまで流行が広がることが懸念される。今後、年末年始の会食などで感染する機会も増えていくだろう。
全国的にも流行が早まっているこうした状況は、COVID-19の感染拡大によってインフルエンザは低調であったことで、一部の型の抗体の保有割合が低下していることなどが理由であるという。
同課の職員は「COVID-19の頃と変わらず、基本的な感染対策を」と注意を呼びかける。「手洗い、うがい、咳エチケットなどに気をつけて。また、人に移さないためにも、発熱のある時は外出をしないようにしてほしい」。
COVID-19の収束ムードに伴い、感染対策が緩んでいる点も今回のインフルエンザ流行の一因だろう。特に目立つのは、マスクの有無だ。これから冬に入り流行のピークとなる。COVID-19で培った感染対策のノウハウを、しっかりと活かしていきたいところだ。