【独自】廃棄される酒粕をダイエット食品に! 新潟大学の女子学生4人が構想する「生酒粕スムージー」、商品化目指す(前編)

新潟大学経済科学部「にゅーふぇいす」5期生の4人。左から、吉田ひかりさん、木村天音さん、田邉怜さん、荒川みのりさん

「酒粕の入った商品って少ないんですよ。だから、酒粕を取り入れる文化の足がかりにもなればいいな、と思っています」。そう話すのは、新潟大学経済科学部3年生の吉田ひかりさん、木村天音さん、田邉怜さん、荒川みのりさんの4人だ。彼女たちが企画した酒粕スムージー「kasmoo(カスムー)」は、11月4日に開催されたビジネスアイデアコンテスト「Open Gate NIIGATA2023」で最優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞。県内の酒蔵と協力し、商品化も目指す。

 

ビジコンで最優秀賞 酒粕を使ったダイエット食品

4人は新潟大学、伊藤龍史准教授のゼミ生。同ゼミではいくつかのチームに分かれて活動するが、彼女たちは日本酒に関する事業を構想するチーム「にゅーふぇいす」に所属している。彼女たちの1年先輩にあたる4期生が、若者向けの日本酒「わたのめ」を企業と共同開発したことで話題になったことは記憶に新しい(関連記事 【わたのめ】新大のプロジェクトチームと苗場酒造のコラボ商品の販売開始)。

そんな「にゅーふぇいす」5期生の彼女たちが今回、「Open Gate NIIGATA」に提出した企画「kasmoo」は、熱処理をしていない生酒粕を利用したスムージー商品。ビタミンなどの栄養を豊富に含む生酒粕を中心に、豆乳、ベリー類、蜂蜜で味付けしたパウチ容器商品を想定しており、健康的な食材を使った「軽食」あるいは「おやつ」としてダイエット中の若者を狙う。

「kasmoo」のイメージイラスト。パッケージデザインとロゴ、周りの果物のイラストも含め、メンバーである田邉さんの手描きだ(OPEN-GATE提出資料より)

試作品のスムージーと「kasmoo」について(OPEN-GATE提出資料より)

「自分たちも欲しい商品」だからこそ、注いだ情熱も大きい。

若い女性ならではの実感の伴った発想や知識が活きる。「スーパーマーケットなどで一般的に販売されている酒粕は火を通しているので、栄養素は減少している。私たちはダイエット商品を目指しているので、熱処理をしていない生酒粕のほうがふさわしいと思った」。また、豆乳と組み合わせることで、脂肪燃焼効果も向上するという。

既存の低カロリー商品とはこの「生酒粕」で差別化。また、既存の酒粕利用商品とは、価格や、よりダイエットに特化したコンセプトで勝負する。また、今回のビジネスコンテストへ向け、市場性や事業生もより深く掘り下げた。

11月に開催された「Open Gate NIIGATA」の様子(写真左ににゅーふぇいすのメンバー)。初めての出場で不安もあったが、「受賞できて嬉しい」と4人は口を揃える

続きはこちら → 後編「酒粕という「産業廃棄物」の利用」

 

(文・鈴木琢真、撮影・中林憲司)

 

【関連記事】
【その志で門を開け】学生のビジネスアイデアコンテスト「Open Gate NIIGATA2023」開催、最優秀賞は新大チームに (2023年11月6日)

【わたのめ】新大のプロジェクトチームと苗場酒造のコラボ商品の販売開始 (2023年9月19日)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓