【独自】開志専門職大学(新潟市中央区)井手上京香さん「歳を重ねても自分らしく生活できる社会を」、世界を変える起業家の卵(後編)
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起業を目指して
井手上さんのアイデアは、「Open Gate NIIGATA」のオーディエンス賞で2番手を獲得。賞を受賞した新潟大学「にゅーふぇいす」とは僅か1票差だった。入賞自体は惜しくも逃したものの、井手上さんは「また挑戦したい」と笑顔とともに意気込む。「これまで出場したビジネスコンテストでは、チームで出場していた。今回は、私一人。本当にやりたいことを提案して、それで本戦まで行くことができた。ほかのチームの発表も見て、自分に必要なことも見えてきた」。
開志専門職大学では、すでに学生起業家を輩出している。そのうちの一つである株式会社LacuSは、高齢者向けの食品を開発。高齢社会となった日本では今、スタートアップの力も必要だ。
井手上さんは今回の「Open Gate NIIGATA」出場について話す。「やっぱり、社会の現状に沿った提案ができたことが評価のポイントだったと思う。高齢社会は、今の日本の一番の問題。『こんなサービスがあったらいいな』じゃなくて、『将来の自分にも必要かも』と思わせることができたのが、今まで自分が提案したビジネスアイデアと違うところ」。
インターンでの経験を活かした今回の提案。しかし元々、井手上さんが介護の現場を見てみたいと思ったきっかけは、彼女の祖母の存在があった。「祖母を介護した経験から、介護関係の業界へ興味を持った。歳を重ねても、体が不自由になっても、自分らしく生活できる社会になれば。自分自身でそんな世界をつくっていきたい」(井手上さん)。
井手上さんは現在、就活生。インターンでの経験も含め、「色々な業界を見て勉強したい」という。そして最大の目標は、起業を通して「自らの力で何かを起こすこと」だ。現場へ飛び込み、課題を自らのこととして考え新たなアイデアを創造する。常に積極的なその姿勢に、今後も注目だ。
(文・鈴木琢真、撮影・中林憲司)
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