【ロボコンの街】23年ぶり!長岡高専ロボティクス部がロボコン大賞を受賞

23年ぶりにロボコン大賞を受賞したチームメンバー

新潟県長岡市西片貝町にある長岡工業高等専門学校(小林幸夫校長)のロボティクス部は、2023年11月26日(日)に両国・国技館で開催されたアイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2023全国大会に出場し、高専ロボコンで最も名誉のあるロボコン大賞を受賞した。

ロボティクス部のある長岡工業高等専門学校

今年の高専ロボコンのテーマは「もぎもぎ!フルーツGOラウンド」である。障害物を乗り越え、高所に設置されているフルーツに見立てたアイテムを収穫するという内容だった。

長岡高専からは障害物を素早く乗り越え、独立して動く2本のロボットアームをお助けアイテムとして、取り付けてフルーツの回収を狙う「ダブルラリアット」が出場、一回戦・二回戦・準々決勝と2本のロボットアームが自在に動き、高所に設置されたフルーツをまるで人間のようにもぎとる度に、会場を熱く盛り上げた。

全27チーム中、試合結果はベスト8だったが、難易度の高い2本のロボットアーム操作と高いチームワークが評価されてのロボコン大賞の受賞となった。長岡高専でのロボコン大賞の受賞は2000年の「長岡猿軍団」以来、23年ぶりとなる。「ロボットの長岡」を、全国に見せつける結果となった。

受賞したのは、部長の石川颯汰さん(19歳)、井上凌空(りく)さん(20歳)、阿部巧さん(18歳)、梅沢晄平さん(18歳)山田佑生さん(17斎)、丸山颯太さん(17歳)の6人のチームである。

チームメンバーは、ロボコン大会のルールが公表される5月初旬から試合までの11月まで、ロボットづくりや操縦などに携わる。中でも、今回、ロボットの特徴となったアーム部分の設計を担当したのは、最年少の山田さんである。アームの設計は、とても苦労したようである。

様々な状況に柔軟に対応できるように、自由度の高い動きが必要だったという。今回の受賞によって、「苦労が報われて良かった」と、ほっと胸を撫で下ろす場面も。試合中も、最初はスムーズにいかなかった模様。阿部さんは、初戦で5つ以上のトラブルがあったことを打ち明ける。「ギリギリ点数にして、ギリギリ勝たせてもらった」という。「ベスト8で負けて悔しかったが、目に留まるようなロボットを作れたのが嬉しかった」と語った。一方で、チームには、来年の3月卒業して、就職をする予定のメンバーもいる。卒業に花を添える素晴らしい結果となった。

実際に操縦してもらった。ロボットの後ろのパンタグラフが上に伸びることによって、アームも上部へと持ち上げられる

近年では、大学生以上で構成された「Phoenix Robots」が、世界大会に出場したり、長岡市内の小学生・中学生が、市民団体や長岡市が主催するロボコン大会に参加したりと、新潟県長岡市では、子どもたちのロボット熱が熱い。

12月10日(日)には、長岡高専内で行われた小学生のロボコン大会において、試合終了後に、同ロボティクス部が、デモンストレーションの実施もした。受賞したロボットの操縦を目の当たりにした小学生たちからは、憧れと羨望の視線が注がれていた。

小学生ロボコンのデモンストレーションの様子

顧問の和久井直樹教諭(35歳)は、元々高専でAIの研究をしていることもあり、ロボットについてはあまり詳しくないという。普段の部活動も、学生たちの自主性に任せていた。

今回の受賞に際して、「大会の一週間前から、周囲に‟ロボコン大賞とる”と、大口を叩いていた。まさか本当にとるとは、びっくりしました」とコメントした。今年度は、部活内でロボコンの競技などを行いながら、先輩から後輩に技術の指導が行われる。

部活顧問の和久井直樹教諭

 

(記事・撮影 湯本泰隆)

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