【校内資料室】150周年の歴史をぎゅっと凝縮 四郎丸愛が深い 歴代市長を2人も輩出 新潟県長岡市立四郎丸小学校の展示室がガチすぎた!(新潟県長岡市)

日本の小学校の歴史は、明治時代まで遡ることができるが、今年に入って、長岡市内の小学校では、相次いで創立150周年を迎えてる校舎が増えている。同市にある四郎丸小学校もそのうちの一つである。今年2023年10月28日(土)には創立150周年記念式典が行われ、同校のOB・OGを含む学校関係者が、節目の年を祝った。

10月に150周年を迎えた四郎丸小学校

記念式典と併せて行われてきたのが、歴史資料室の開設である。学校の歴史や地域の歩みを紹介し、在校生に学校や地域に対する愛着を深めてもらおうと、同校卒業生や在校生保護者ら関係者22人からなる「四郎丸探偵団」(樋口栄治代表世話人)によって企画され、整備されてきた。

同歴史資料室が整備されることになったきっかけは、今から10年前の同校140周年の直後。地域の人たちが集う「ふれあいルーム」を発展させ、地域の歴史を語る場を創ろうということで企画が持ち上がった。

準備には、長岡市にある博物館施設の関係者などの協力も得、資料収集の仕方や、展示の仕方にこだわった。同「探偵団」の中に現役の学芸員が3人いたことも大きい。校舎2階の2部屋を使い、300点以上の展示資料を集め、解説パネルなども用意した。完成した資料室は、28日の式典で披露された。

四郎丸校区や学校の歴史を展示した「四郎丸歴史探偵団」

展示室は、「四郎丸歴史探偵団」と「未来を拓く昔の古い学び蔵」の二室から構成されている。

「四郎丸歴史探偵団」では、四郎丸地域や学校の歴史に焦点を当てた。コシヒカリ誕生のきっかけとなった農業試験場や、消雪パイプの発祥となった浪花屋製菓に関する展示など、新潟県や長岡地域の重要な歴史文化を担ったものについてわかりやすく解説しているほか、同校の著名な卒業生などを紹介するコーナーも設けられている。

森民夫前長岡市長や、磯田達伸現長岡市長など、歴代の長岡市長を続けて二代輩出したことなども紹介し、まさに四郎丸愛を感じさせるユニークな展示となっている。古い卒業写真や学校年表や並べ、タブレット端末でQRコードを読み取ると詳しい説明が見られるよう工夫してある。

もう一方の「未来を拓く昔の古い学び蔵」は、名前の通り蔵をイメージした一室。かつて長岡の呉服町で19世紀頃実際に使われていた蔵の扉をはじめ、明治から昭和まで使われていた玩具や電化製品などの生活用品を、実際に手に取りながら見ることができる。かつて市内を運行し、現在は廃線となった「栃尾鉄道」の展示などもあり、同時代をリアルに生きた世代には、懐かしさすら感じさせる。2つの展示室の看板の文字は、長岡市にも所縁のある書道家・柳澤魁秀氏によるものである。

かつて農家で使われていた「ゴロ」も工夫次第では見事な展示パネルとなる

四郎丸小学校の主だった卒業生を紹介するコーナーも。どこかで見たような顔ぶれ…

最近の技術を用いてQRコードで説明がみれる

昔の民具など、実際に手に触れて体験することができる「未来を拓く昔の古い学び蔵」

ロッカーの中には懐かしい道具が。全部触ることができる

紙で作られたランドセル。昔の人は工夫して物を使っていた

「チーム四郎丸歴史探偵団」として、資料室の整備や開設の中心を担った樋口栄治代表世話人(76歳)は、同校の歴史と同じ頃に建築始まった、スペインのバルセロナにあるサグラダ・ファミリアのように、「展示はまだまだ未完成」だとする。

「展示は、子どもたちと一緒に作っている。まずは我々の世代が土台を作り、これからは、学校に通っている子どもたちに引き継ぐ。‟歴史探偵団“として展示を完成に近づかせていってくれれば」という想いから、チーム名をつけた。「(展示物を)‟触っちゃダメ”とはいわない。実際に、見て、聞いて、触って、地域の歴史の話をしましょう」と話した。

歴史資料室は今後、子どもたちの授業などに活用されるほか、不定期に一般公開されるという。手作りながらも、立派な歴史資料室の完成に、関係者一同が心から喜んでいた。

室内には懐かしい品々が並ぶ

「見て、触れて、ほしい」と樋口代表世話人

 

(記事・撮影 湯本泰隆)

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