【暖冬】「暖かくても積雪に注意を」12月後半から寒気到来、ぬかるみやクマ出没など暖冬ならではの危険も

雪景色となった新潟県上越市高田(2023年1月28日撮影)

新潟地方気象台が11月21日に発表した3カ月予報によると、2023年12月から24年2月までの北陸地方は、平均気温が例年に比べて高く、降雪量も少ない見込みだ。しかし、新潟地方気象台は「一時的に寒気が入ることもあり、その場合は大雪になる可能性も十分にある。気象情報には注目し、備えをしておいてほしい」と注意を呼びかける。

向こう3カ月は、地球温暖化の影響などから全世界的に気温が高い傾向にあることや、平年よりも日本の北側から寒気が下りてきにくい影響などから、北陸地方の気温は「平年より高い」可能性が高くなっている。それに伴い、降雪量についても少なくなるとの予想だ。

一方で12月単体で見た場合、気温が平年よりも高いのは月の前半までで、16日以降は平年並みか、平年より低くなる見込み。新潟地方気象台によると「(12月13日時点での予測では)16日、17日ごろから寒気が新潟の上空に入り込む。17日から19日ごろまで(寒気が)強く、その後一時的に緩むこともあるが、23日ごろまで続く見込み。平野部でも降雪や積雪の可能性がある」という。暖冬の傾向ではありつつも、まったく雪が降らない、という訳ではない。

国土交通省の発表によると、2013年からの10年間における大規模車両滞留のほとんどは12月から1月のあいだに発生している(12月が7回、1月が10回、2月は前半に3回発生しており以降はゼロ)。昨2022年12月、国道8号新潟県内で大雪による大規模な立ち往生が発生したのも記憶に新しい。雪の降りはじめの時期であるため、気が緩みやすいこともある。自動車のタイヤ交換はもちろんのこと、スコップなどのいざという時の道具も積んでおくことを心がけたい。

朱鷺メッセ(新潟市中央区)周辺の様子(2023年1月25日撮影)

また、3カ月間予報では気温の高さに伴い降雪も少ない見込みだが、降水量自体は平年並みだ。雨によって地面がぬかるみやすいため、地域によっては土砂災害にも十分注意が必要である。

暖冬の影響は、意外なところにも出ている。新潟県は11月29日、「クマ出没特別警報」の発令を1月末までに延長した。冬場暖かいと、クマが餌をとりやすい条件が継続し冬眠が遅れるだけでなく、冬眠をしないことも予想されるという。キャンプ・アウトドアブームの延長で「冬キャンプ」も近頃は人気だが、雪と寒さだけでなくクマへの対策も忘れないようにしたい。

近年は、短時間で大量の雪が積もる、いわゆる「ドカ雪」が増えている傾向もある。平均気温が高くても警戒は怠ることなく、気象情報のチェックや事前の備えは万全にしておきたい。

 

【関連リンク】
国土交通省 「おしえて!雪ナビ」

 

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