【インタビュー】突然の解雇から仲間5人と創業し今や業界3位に ミタカ(新潟県柏崎市)の秋山政一会長に聞く(上)

株式会社ミタカ(新潟県柏崎市)の秋山政一会長

売上高約50億円、社員約150人、社歴40年の株式会社ミタカ(新潟県柏崎市)。大手スーパー、コンビニなどの冷凍設備、空調設備、厨房機器の施工、点検・修理が主な業務だが、設計から施工、完成後のメンテナンスまで一貫して自社で行う点が強みだ。

「顧客を増やすのは私の使命、他社と同じことをしていてもダメ」と語る秋山政一会長だが、火を使わず冷媒配管を接合する機器を積極的に導入するなど、徹底した差別化戦略を推し進めてきた。目指すは顧客満足度ダントツナンバー1企業であり、10年後めどに売上高70億円で業界首位を狙う創業者の秋山会長にこのほど単独インタビューを行った。

 

突然の解雇……

――秋山会長は茨城県のご出身と聞きましたが、なぜ新潟の地で創業したのですか?

それはよく聞かれます。私が小学生の頃から大変お世話になったおばさんに恩返しするために、高校3年の春に新潟県旧高田市に引っ越してきました。私は、高田市の叔父さんの経営している冷凍設備業の会社に入社しました。仕事は順調だったのですが、柏崎営業所長だった時にあることが起こったんです。

社長が公私混同で会社の大金を使って個人の投資に回している事を聞き、私は会社のことを思って、社長に『そういうことは本人の資産でやって会社のお金でやるのは辞めた方がいいですよ』と言ってしまったのです、何よりも会社のためによくないと思いましたた。

しかしそれが、社長の逆鱗に触れてしまい即、懲戒免職で、退職金も貰えず、今だったら、労基署で大問題になりますよね。今から40年前の事でしたからそれが通ってしまったんですかね。

急に無職になってしまい、私は起業するつもりは全然なかったんですが、しかし、生活もある。私は35歳でミタカを創業しました。会社を辞めることになった時に、『秋山さんの言ったことは間違っていません』と私についてきてくれた28歳くらいの部下が5人いました。その仲間で今の会社を起業したんです。のちにその5人は全て役員になってもらいました。

 

セブン・イレブンに食い込む

――創業当初のご苦労は?

後発だった弊社は、他社がやらないことをやらなければ差別がないと思い、365 日24時間いつでもメンテナンスに伺うというサービスを始めました。その実績と経験が評価され、新潟県内初出店を準備していたセブン・イレブンから創業わずか2年の当社に冷蔵設備業者選定の面接に来てほしいという連絡が入りました。

後で聞いたところによると、面接には新潟県内トップ2社と当社を呼び、それぞれに同じ質問をしたそうです。質問は「メンテナンスとサービスをどのように考えるか」というものでした。メンテナンスは、事故が発生することを予知して、それを防ぐために行うもので、サービスとは故障を修理することだと答えました。すると、「よし」という声がして、これは弊社で決まりだなと直感しました。

上越営業所

(文・撮影 梅川康輝)

(下に続く)

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