令和2年度の油流出事故は過去最多となる278件発生
新潟県は20日、令和2年度に油流出事故が過去最多となる278件発生したと発表した。油流出に加え、酸欠などにより魚類がへい死したり、川の水が濁ったりする事案なども含めた異常水質事案件数は295件だった。
油流出事故の原因は、ホームタンクからの灯油の小分け中に現場を離れるなどの「取扱不注意」によるものが依然として第1位(114件)となっている。増加した要因として、豪雪や新型コロナウイルス感染症拡大による在宅時間の増加が考えられるそうだ。県では「ホームタンクからの灯油の小分け中は2分間、その場所から離れないでほしい」と話していた。
ちなみに、流出した油の量(令和2年度)は全体で2万5,000リットル、このうち1万3,000リットルがホームタンクからの流出という。
一方、県では、油流出事故は冬場にかけて多く発生することから、例年冬場に注意を呼びかけていたが、今年度は通念を通して呼びかけを行い、流出事故の減少を目指していくる。具体的には、関係機関、石油販売店などと連携し、ポスター掲示、ラジオや新聞等を活用した広報、家庭や事業所へのチラシ・ステッカーの配布など、油流出事故の防止を呼びかけていく。
なお油の流出は、河川への流出や地下浸透により環境が汚染されるほか、水道水や農業用水の取水が停止するなど広範囲に影響を及ぼす可能性がある。また流出した灯油などの再購入費のほか、対策費用の請求や損害賠償請求が行われることがあり、原因者にとっても経済的に大きな負担となる。