【独自】2023年3月14日で北陸新幹線が開業8周年 上越妙高駅前開発で過去には三井アウトレット進出計画あり 大学、専門学校を期待する声も(再掲載)

上越妙高駅と2つのホテル

掲載日 2023年3月6日

3月14日で北陸新幹線が開業8周年を迎える。その北陸新幹線が通る新潟県上越市の上越妙高駅で、過去にアウトレット大手の三井アウトレットパーク(三井不動産商業マネジメント運営・東京都)が進出する計画があったことがこのほど関係者への取材で分かった。

その県内在住の政界関係者は、「三井アウトレットパークが上越妙高駅に出したいと言ってきたのに、上越市の地元商工会と上越市の村山秀幸前市長が蹴ってしまった。上越妙高駅が難しかったため、その結果、富山の小矢部に建設が移ってしまった。観光バスとか、待機できる場所もないとかで非常にもったいない」と語る。

一方で、米国会員制スーパーの「コストコ」は未だ新潟県には進出していないが、お隣りの富山県にはコストコ富山射水店がすでに存在し、食にこだわる人などが新潟県内からも買い物に行くほどだ。

前述の関係者は「コストコは30万人の人口がないと出せないという取り決めがあるから、上越市の進出は難しい。新潟市にはコストコが進出したがっているが、大手スーパーが反対しているようだ」とも語る。

ところで、コストコは県内には進出していないが、昨年12月に糸魚川市にコストコ商品などを取り扱うショップ「コストア」がオープンし、話題を呼んだ。

フルサットから上越妙高駅を望む

それはさておき、この取材を重ねると、上越妙高駅の近くにアウトレットモールなどの人が集まる商業施設が欲しいとか、それが難しくても大学誘致をしたら学生たちの街のイメージになるのではとの意見も多い。

先の関係者がさらに言う。「埼玉県の本庄市に私学の雄・早稲田大学の付属高校があり、そこに首都圏から1,000人近い高校生が新幹線通学をしている模様だ。新幹線の本庄早稲田駅の利用者はほとんど高校生のようだ。こんな発想を上越市も出来ないか。大学の1つの学部でもいいし、専門学校でもいいけれども、駅前に作れば県外からも来ると思う」と。

以前、弊紙の取材に対し、飛田観光開発(新潟県上越市)の担当者は「専門学校なども誘致したい。コンパクトシティを作りたい」と話していた。

現状は、上越妙高駅西口にコンテナ型商業施設「フルサット」があるほか、アパホテル(東口)、東横イン、スーパーホテル、コメダ珈琲、日帰り温泉「かまぶたの湯」、大戸屋、魚民、JM-DAWNなどがあるが、高速で走る新幹線の特急列車「かがやき」は上越妙高駅には停車していない。上越市の一部市議会議議員や民間企業などは、駅周辺の開発を通じて「かがやき」の停車する駅を目指している。

いまだ建物が立っていない部分が多い上越妙高駅前。最近、ロッテリゾートのリムジンバスに乗り込む外国人も複数見かけたが、アフターコロナでさらに観光・インバウンドも期待できるようになった。首都・東京と約2時間で直結する新幹線の駅前という最上級の立地をいかすか否か。それは行政と民間にかかっているといえるだろう。

【グーグルマップ】

 

(文・撮影 梅川康輝)

 

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