【新潟空港から北東アジアへ】新潟―ハルビン線が1月15日に運行再開、既存国際定期4航路が揃う 新潟空港にとって特別な空路の復活(再掲載)

コロナ禍で運行休止されていた新潟とハルビンを結ぶ空路が1月15日に再開

 

掲載日 :2023年12月31日

直近の人気記事を日曜日に再掲載いたします。(編集部)

新潟空港にとって特別なハルビン線の再開

2023年10月25日、中国南方航空は新型コロナウィルスの感染拡大で2020年4月以来運休となっていた新潟空港の新潟―ハルビン線について、2024年1月15日に運行再開すると発表。台北、上海、10月に再開されたソウルに続いてハルビンが再開となり、これで新潟空港の既存国際4路線が全て揃う事となる。2023年5月に新型コロナウィルスが5類移行となったことで、日本のインバウンドは急激に戻ってきており、新潟空港の活性化においても今後が期待されるところ。

新潟―上海線の運航再開(2023年11月)では新潟空港で歓迎イベントも開かれた

国際線全線再開に合わせた盛大なプレゼントキャンペーンも行われる予定が組まれており、詳細が決まり次第、にいがた経済新聞でも掲載したい。

新潟県、特に新潟市にとってハルビン線が再開されることは大きな意味がある。
1972年、郷土の偉人である田中角栄(当時外務大臣)らの尽力によって日中国交正常化が成され、1976年には日中平和友好条約が締結。日本と中国の都市間で友好関係を結ぶブームが到来し、1979年に新潟市と黒竜江省ハルビン市が友好都市提携が締結された。これには、やはり新潟が生んだ偉人、佐野藤三郎の功績が大きい。佐野は亀田郷の乾田化事業を主導し、その技術を活かして当時深い沼地が広がっていた黒竜江省の三江平原を一大穀倉地帯へと変えた。両都市の関係性は1976年に佐野が農業指導を行って以来続いていた。

新潟空港

ハルビンとの友好都市締結に関しては、当時国内にライバル都市も複数あり、新潟はむしろ出遅れていたが、わずか数カ月で逆転したという経緯がある。
先人が結んだ、中国東北地方の都市との関係。そもそもハルビン太平国際空港への定期直行便が飛んでいるのは成田、関西国際と新潟だけ。その意味でハルビン便は、新潟空港からが最短距離というだけでなく、新潟空港の最もシンボリックな航空路線だとも言える。

コロナ禍前の2019年4月には、ハルビン市の旅行会社が新潟県の呼びかけで県内観光地の視察を行った

また、新潟―ハルビンという決して主要路線ではない「日中の地方間航空」において、開設以来安定的な搭乗者数を確保しているのはひとつのトピック項目でもある。安定した需要がある理由のひとつは、新潟や周辺に居住している中国人の中に東北地方出身者が多いという事情。この路線はビジネスや観光より、彼らの「里帰り」の足として需要がある「生活路線」の側面がある。もうひとつの理由は前述したとおり、ハルビンへの直行便を飛ばしている空港が意外に少ないというもの。実際、ピークだった2015年の7月から10月にかけては、週5~7便の運行があったというから驚かされる。

ハルビン市を象徴するロシア建築「聖ソフィア大聖堂」

冬に魅せる、美しき街

中国本土の北端に位置する街、ハルビン市は、アジアと東欧の結節点であり、歴史的には中国とロシアの文化が入り混じる都市でもあった。戦時中は日本軍が進出していた事でも知られるが、この街並みの発端は露清密約(1898年)によるロシア権益の拡大であろう。言ってみればハルビンはロシアの人と資本がつくった街だ。
二つの異なる文化の融合は実に美しい街並みを見せる。

 

美しい石畳の目抜き通り「中央大街」

有名な聖ソフィア大聖堂をはじめ街の中には歴史的建造物が数多く残されている。今や中国で8番目の人口を誇る都市となったが、他の大都市とは一線を画す美しさがある。
日本よりかなり高い緯度にあるため、春夏秋は比較的過ごしやすい気候で冬は厳寒。しかしハルビン観光のベストシーズンは冬。

世界4大冬祭りに数えられる「ハルビン氷祭り」の幻想的な光景

その理由が毎年1月5日頃から2月末頃まで開催される「ハルビン氷祭り((哈尔滨冰雪大世界)」である。世界4大氷雪祭りとして「カナダ・ケベックウィンターカーニバル」「札幌雪まつり」「ノルウェー・スキー祭り」と並び称される一大イベント。まるで夢か現かという幻想的光景を見たさに、世界中から観光客が訪れる。
また「炭火羊鍋」などラム肉を使った料理やギョーザなど、中国東北地方は独特の美食文化もあり、ガストロノミーの観点でも実に魅力あるエリアだ。
新潟空港から飛んで、ハルビンに観光旅行。未体験のわくわくがそこにある。

ギョーザが美味しいことでも知られる

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