【キシャメシ】「新潟市の老舗洋食屋といえば」で必ず出てくるあの店、技巧が光るオムライスをいただく

新潟市中央区八千代の老舗洋食店「キッチン加山」

1月の新潟なのだから当たり前だが「寒いぞ、ちくしょー」と誰に言うでもなく、口から文句が出る。思わず独り言が出るあたり、自分でも「なんか、ジジイになったな」と感じる。

「こう寒いとグラタンが食べたくなるな」と思いつき、昼は市内で洋食屋を探すことに。ピンときたのが「キッチン加山」(新潟市中央区八千代)だった。

創業1979年というから45年の老舗洋食店、今は二代目が切り盛りしている。新潟で育った中年以上の方々なら昔から良く知っている店。記者も当然、数回の訪店はある。間違いない、ここなら。

創業以来2度の改装を経て、内装に特別レトロっぽさはなく、むしろ今風のカフェ然としたオープンな雰囲気。そんな中にも、昔ながらの馴染みらしき客がランチを目当てに訪れているあたり、老舗の貫録を感じる。

メニューに目を落とし「グラタン」を探そうとしたところで、ボードの「日替わりランチプレート」(税込1,100円)が先に目に入った。「オムライス+きのこのクリームソース」とある。キッチン加山のオムライスは、一度食べたことがあるが、その時は王道のデミグラスソースだった。クリームソースは確かに惹かれる。結局迷った末、オムライスの誘惑に屈することに。食後のドリンクがつくが、こちらはミルクティを。

美しいビジュアル。日替わりランチプレートは、オムライス+きのこのクリームソース(ドリンク付、税込1,100円)

少し待って着皿。おお、オラわくわくすっぞ。半熟のオムライスをチキンライスの上で開いたタイプで、いわゆる「たんぽぽオムライス」。サラダ(緑)、オムライス(黄)、クリームソ―ス(白)と三食に分かれたプレートは、ビジュアル的に完璧。

オムライスにクリームソースをかけながら、スプーンでいただく。クリームソースがなめらかで、コクがあって嫌味がない。オムレツ部分はふんわりとトロトロの両立。チキンライスも、奥にちょっと「だし」感がある味で激うまし。これが混然一体となって飛び込んでくるのだから、ひとたまりもない。創業45年は伊達じゃない、そういう技が感じられるオムライスに、幸せホルモンだだ漏れで、みるみるニンマリとだらしない顔になる。

なめらかなクリームソース、ふわとろ卵、旨味のチキンライス、これらが混然一体となり脳髄を刺激する

正直、老舗と呼ばれる店の中には、長くやっているだけが取柄でセンス自体が古臭くなって、時代に取り残されている過大評価っぽいところもある。ここのように「アップデートされてちゃんと美味しい老舗」に出会うと、本当にうれしい。

(編集部I)

 

【キッチン加山】

新潟市中央区八千代1丁目2-10

営業時間 11時~13時半、18時~21時

定休日 水曜

<グーグルマップより>

 

 

【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。

 

【前回のキシャメシ】

背脂×バターの多幸感あふれるコンビ、「背脂味噌バターコーン」 ラーメン しん(新潟県加茂市)(2024年1月19日)

 

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